Kyon {Silence Of Monochrome}

Kyon {Silence Of Monochrome}
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2010/05/08

伴走者

時が経つのは、意識していないと本当に早いものです。
2日に投稿したと思ったら、気がつけばもう6日経っている・・・
その間の1日はとても長く感じていたりするのに、不思議です。

私は、内向的で情緒的な音楽を好んで聴きます。
落ち込んだり悲しい時にも、そのような音楽を聴きます。
そんな時には元気付けに、
明るい映画を観たり、明るい音楽を聴いた方が良いのでは、
という事もありますが、私にはむしろ、
正直な気持ちと向かい合って伴走してくれるような、音楽や映画が合っているようです。

黄昏時、買い物に行く途中一人で川沿いを歩いていると、
不意に胸の中に、木枯しがふくような感覚が湧き起こりました。
寂しいというよりは切ない、悲しいというよりは心苦しい、そんな感じです。
一人で歩く時はいつも音楽を聴いているのですが、
その時も、好んで聴いている、やや暗くて内向的な音楽が流れていました。
この発作的に生まれた負の感覚に拍車をかけるかと思えば、そうではなく、
むしろ、そんな気持ちを浄化させるかのように、
静かな伴走者は私を慰めてくれます。

夕日の中に、負の感覚と音楽が絡み合い、羽根を付けた音符が少しずつ連なって、
口や耳や鼻の穴から飛び立っていくような幻を見たようです。
夕日が全く沈む頃には、心もすっと落ち着いていました。

今感じている気持ちに正直になりたい時、
寂しければ寂しいままで、
悲しければ悲しいままで、自然に任せれば良いのだと思います。
そしてその気持ちと一緒に伴走してくれる、
音楽や映画や、そして絵画が傍にいてくれれば心強いものです。

人との繋がりの中で得られる温もりは、
必要不可欠で、とても大切なもので、
無くてはならないものですが、
人には人の人生があり、
私は私の人生を生きて行かなければならない時、
やはり、 心の拠り所となる音楽や、詩や文学や、映画や、絵画があれば、
自分で自分自身を、いつでも勇気付けられ、
それらに慰めてもらえます。
そして、そんなささやかだけど、忠実な安心感が、
私をずっと支えてくれています。