Kyon {Silence Of Monochrome}

Kyon {Silence Of Monochrome}
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2021/12/15

夕焼け

 わさび、今日は高い棚には登らず、太陽を追いかけてた姿もなく、歌のようにこたつで丸くなっている。

確かに昨日と今日とかなり冷える。


ドライは口にせず、1時間おきくらいにペーストをあげている。ぺちゃくちゃと自分で舐めてくれるのがせめてもの救いだ。

強制給餌については、腎不全の猫ちゃんと暮らしている家族にとっては必ず通る道で、悩まれている方も多い。

うちではわさびがか細い声でとても嫌がり、これ自体がストレスになると考えてやっていない。気難しいこの子には私しかいないのに、それさえも信頼を損ねてしまったらわさびが可哀想だとも思う。

自分で食べれるうちは自分で、そう思っている。


木々は美しく紅葉している。おひさまを浴びて光るさび猫の毛色のようだ。


わさびは今、夕焼けの頃を過ごしているのだろう。

願いはただだひとつ、穏やかな日々を過ごして欲しいということだけ。








2021/12/13

わさび 少しづつ取り戻す

 混乱しているとき、書くということは心の整理につながる。

また、愛猫の老いを改めて強く感じ、毎日が本当にかけがえのないものであるということを思い知った。


猫の具合が悪くて病院に行くならまだしも、健康で元気な状態だったのに、急転直下、体調を崩してしまうのは本末転倒。それが悲しくて悔しくて。

寒さや長距離に合わせて、いろいろなことを矢継ぎ早にしてしまったがため、ただでさえ免疫力の落ちている老猫に相当なダメージを与えてしまったのだろう。悔やんでも悔やみきれない。

11年前、良かれと思ったワクチンですでに愛猫を苦しめていたのかもしれないのに、そして尊い命を奪ってしまったのかもしれないのに、なんと学びの無い家族だろうか。

愛猫や愛犬と一緒に過ごすものは、一歩立ち止まり、治療方法や薬など、得た情報を持ち帰ってよく調べ吟味することが必要だと強く思う。

それは自分の体を守るうえでも重要だ。特にこのコロナ渦では疑問に思うことが沢山ある。


わさびは少しづつ取り戻してきた。

命をつないだのは腎臓用高カロリーの猫用おやつやペースト。これらはただお皿に盛っただけでは食べないので、その都度、人肌に温め、指につけてわさびの鼻元までもっていく。そうするとクンクンとして、ペロッと舐める。舐める強さが強ければ食欲があるということだ。わんこそばのように食べたら次、また次と指につけて舐めるを繰り返していくと、小皿いっぱい=約5グラムくらいは食べる。これを毎日、様子を見計らって繰り返した。おかげで私の指はいつも魚臭い。

ここ何日かで高カロリーおやつは2本、ペーストは40グラム弱食べた。これで飲む水の他に水分の補給もできる、だいたい50mlくらいだろうか。本当に頼みの綱である。

ホームセンターなどに行くと、こういった食材が多いのに気づく。子猫用より圧倒的に老猫用のフードが多くバリエーションも豊富だ。それだけ現在長寿の猫が増え、愛猫の食に悩む家族も多いということだろう。


ドライフードも少しづつ食べるようになってきた。ペーストは水分が多いがカロリーが少ないため生命維持にはやはりドライフードが大切だ。わさびは夜ケージに入れると夜中好きなときにぽつぽつ食べるようで、一昨日の11日には15g、昨日は10g食べていた。

わさびがドライフードを食べるカリカリという小さな音、それが聞こえてきたとき、嬉しくて涙が出そうになった。命の音、まだまだ生きたいという声。希望そのものである。


二日ぶりに便も出た。ツヤのあるつるっとした良いウンチだった。水分もだいぶ足りている感じだ。

おやつやペーストには乳酸菌など豊富に入っているのでそれも効果しているのだろうか。


日中や夜は押し入れに入ってしまいやや心配したが、同居猫のくるみも同じ時間帯に寝ているので、猫たちのリズムなのだろうと思っている。いままで気に留めていなかっただけだ。


取り戻してきたとはいえ、まだまだ油断はできない。わさびの表情を見ていると、まだなにかされるではと不安げな色が浮かぶ。猫は忘れっぽいというから気のせいかもしれないが、嫌なことはずっと覚えている動物でもある。

この不安が早く払しょくされればよいのだけど・・・。




2021/12/11

猫の補液は安全??

 病院への長い道のりに次いで、血液検査、エコー、補液、薬。次々に嫌なことをされ、ストレスで膀胱炎を発症してしまった愛猫。

病院翌日は全く飲み食いせず、これはまずいということで、シリンジで水を与えたり、病院で購入した腎臓用チュールをあげたり、よさそうなペーストフードをこまめに与えたりして、水分を取らせることに集中した。

そのかいあってか、少しづつ取り戻してきたように見えた。

9日に5日分の便をした。その際に食べたものを大量に吐いたが、けろっとしてゼリー状のおやつを食べた。

ドライフードも数粒から食べ始め、11日には15gまで食べるようになった。


補液については家人と意見が何度もぶつかった。

家人はわさびの健康が損なわれるならやりたくないとの一点張りだ。

お医者さんは補液のせいで具合が悪くなるということはまずないという。

心臓の悪い子はまれに肺水腫をおこすことがあるとも聞いたが、わさびに心臓の悪い兆候はないという。

体調を崩した原因が複合的すぎて、わからないことが多い。

ただ、輸液で腫れた前脚を極度に嫌がっていたことだけは確かだ。

100mlという量は適正だったというが、吸収が悪くなっているということも体調不良に起因しているのだろう。

30でも50でも私は補液した方がいいのではと思うのだが、また同じことになったらと思うと怖さもある。

めったにないとはいえ、私たちの猫が補液後、体調を崩してしまったことは事実だ。

今できることは、とにかく水分を取らせること。

しかし、シリンジでの飲水は難しいと感じ、わさびも相当ストレスを感じているのでやりたくない。

水分の多いペーストフードに頼らざるを得ない。


老猫なのであたたかくしてあげること。

11月の中旬、急に寒くなった時に、わさびも外耳炎の再発など体調を崩し始めた。

若い猫はダウンジャケットなところを、老猫は肌着で外を歩いているようなものだという。


そして、不用意にストレスをかけないこと。

一か月後の検査も必要だと思うが、病院への道のりがわさびのストレスになってしまうという不安もある。

なにより発作的な判断と、ニンゲン側のエゴと独りよがりな治療だけは行いたくない。


ここ1週間、私自身よく眠れずに、久々に金縛りにあってしまった。

ただただ脳が疲れてしまっているのだろう。


2021/12/05

わさびの補液

 6月に懸念していた愛猫わさびの頻尿はいったん落ち着いたが、腎臓の怪しい「影」はまとわりついたままだった。

先生の勧めで徐々に腎臓食に切り替え(10月)、

すぐに食いつきが悪くなってしまうので、3,4種類のフードをとっかえひっかえ、

わさびはちょこちょこ一生懸命食べるけれども15gを食べるか食べないか。

救いなのはお水が好きだということ。これは昔からだ。

自分の体質を本能的にわかってのことなのか?

氷をいれてコロロンと良い音をならすと、それに呼応しぺちゃぺちゃとかわいい音を鳴らしてくれる。


3カ月は猫にとって1年という。9月に血液検査を受け、今月12月にも血液検査を受けた。

数値は悪化していた。


       9月   12月

BUN     41   62

クレアチニン 1.7   4.47


尿の比重は1.03 おしっこの色は薄い 1日の回数は3回程度

体重は2.2キロ 前回より100gダウン


家人とともに頭が混乱してくる。慢性腎不全のステージがまた上がってしまったのか?

療法食を食べているのに?

エコーも取り、腎臓の状態を診てもらう。

血流もありそんなにひどい状態ではないが、先天的に右の腎臓が小さいらしい。こちらの機能が低下してきたのか。

背中をつまむと脱水の症状もあるという。


これまでの経過と総合的な判断で、補液とACE阻害剤を飲みましょうとなった。

補液は1週間に2回程度、家でやるために、家人が急遽レクチャーされる。

前から怖がりやりたくないといっていた家人も突如の実践に勇気を出し、

2回刺し損じてしまっていたが、吹っ切れたようで、後で何となくできそうと言っていた。

家人は薬を飲ませるのは得意。

これでわさびのQOLが高まるのならと、がんばるしかないねとなった。


が、、、


家につきほどなくして、わさびがポチポチとご飯を食べたので、空腹では胃が荒れるというから薬をすぐに飲ませた。

それから1時間後、わさびの様子がおかしい。

いつもは入らない猫こたつの下に入ったっきり出てこない。

小さく丸まってあきらかに元気がない。

薬の副作用か?一気に不安が高まってしまい、夜も眠れない。

一睡できたと思ったら、わさびがいなくなってしまう悪夢をみて夢の中で号泣していた。

そんなうつらうつらしていた午前4時ごろ、聞いたこともない声ではっと飛び起きる。

わぉうわぉうという地を這うような声。わさびがトイレでうなっている。

おしっこをしたらしい。痛いのか?私の呼吸も荒くなる。

しっぽを下げたままへっぴり腰であるくわさび、すぐにこたつの下にもぐりこんだので、さわろうとすると、今度は痛そうになく。


前脚が腫れている!


そういえば、病院の先生が、補液の水分が下がって脚が膨らむことがあるけれどそれはまったく問題ないですと言っていた。

これか。でもすごく痛がっている。おまけに元気がない。食欲もない。

元気にするためにした補液がこれでは本末転倒だ。


だんだんと泣きたくなってきた。


まだ早朝だし、病院は休みだ・・。とりあえず様子を見るしかない。


しかし様子をみながらも、なにか口にしてもらわないといけない。

時間を置きながら、わさびの好きな猫用おやつをちょっとづつあげた。

最初は見向きもしなかったが、時間が経つにつれ少しづつ舐める量が増えていった。

ただ鳴き声は弱弱しい。


これでいいのか?


前日はちょっとづつでも自力でフードを食べていた。

お水もよく飲んで、日光浴もし、自由に行動し、瞳は輝いていた。

なにより猫の手本のような美声が愛らしい。


考えることが山ほどあった。

知るべきことは沢山あったが、かといって調べすぎてはいけないとも思った。

慌てずに、一瞬立ち止まることも必要だった。


家人と丸一日、話し合った。

わさびのこれからのことを。

2021/11/11

ツマグロヒョウモン 自己流飼育のコツ ① 卵からベビー幼虫まで

 ツマグロヒョウモンと出会い、その魅力にひかれて、3年。

今年も我が家に帰ってきたたくさんのツマちゃんたち、これまでに110頭以上無事に空に飛び立った。

なかには幼虫で小さいまま亡くなったこや、蛹化を失敗したこ、蛹からでれなくなってしまったこ、蛹のまま不可解な死をとげたこも10匹ほどいて、これは毎年、起こっている。

なぜだかはわからないが、秋からの幼虫に多い気がする。個体が疲れてきてしまうのだろうか?


越冬幼虫や冬の寒い時期に羽化してしまうこのお世話もあるため、春夏秋冬ほぼ1年中、ツマちゃんたちと暮らしている。

そこでお世話のコツというか、ステージに沿って注意すべき点がなんとなくわかったので、

備忘録的に記しておこう。


これからツマちゃんと過ごしてみたいという人の一助にもなれたら幸いです。


1・卵をみつけたら

春や初夏などビオラやスミレにふわっと立ち寄ってくるツマグロヒョウモン。

きっと卵を産みたいのだろうと様子を見ていると、上手に葉の裏に産み付けていく。

一個一個それはそれは丁寧に。

この蝶は、葉裏だけでなく、苗の近くの土の上や、まったく関係のない落ち葉に産み付けていくこともある。枯れたビオラ苗にも平気で産み付けていく。

苗近くの土の上ならまだしも(孵化してから食べ物にありつける)、枯葉はないだろうと思ったことがある。

・・ある時のツマ母は、ポツっと落ちていたベコニアの枯葉に産み付けていった。その周りにはなにもない。孵化したこはたいへん困ってしまうだろうと思い、その卵はレスキューした。

卵の思い出もう一つ・・最近ではとある量販店でビオラ苗を物色中、一匹のツマ母が苗の近くにやってきて人目も憚らず卵を産み付けていった。よほど切羽詰まっていたのか、物怖じしない母だったのか。市販苗にはだいたい農薬が付いていて、これを食すと幼虫は死んでしまうので、卵を産み付けられた苗をひと鉢だけ購入した。

私にとってはきれいな花も買えたし「お土産付き」みたいなものだ。

(ほかにはアゲハ幼虫付きの山椒も買ったことがある。蝶にはなったが苗は枯れてしまった)


卵からかえす場合は、産み付けられた葉っぱを丁寧に切り取る。茎や花の裏、花がらにもついている場合があるので、丁寧に採取するのであればそこまで確認。

植物が枯れないように水処理(茎を濡れティッシュで巻いてさらに銀紙で巻く)できるようなカットであれば水処理をし、難しい場合は予備の食草(水処理済み)を必ず入れておく。卵に寄り添うようにしておいておくのがコツ。

孵化するまでにもとの葉はかれてしまうので、ベビー幼虫が瑞々しい葉を食べれるために必要。


夏場なら6日もたつと卵がだんだん白っぽくなってきて、小さな小さなモケモケ半透明の幼虫が出てくる。大きな顔に頼りない産毛の身体。この瞬間がとてもかわいい。


ちなみにツマグロヒョウモンの卵はぽろっと取れやすい。

取れてしまっても予備の葉を近くに入れておけば大丈夫。


2・孵化したての幼虫

小さな幼虫は通常の虫カゴだと、蓋の隙間からでてしまうことがあるので、市販のおかずカップなどを使うとよい。カップの蓋に空気穴をつける。
虫かごから出られない、二センチくらいにまるまではここで過ごしてもらう。

扱いは繊細に・・といってもむやみに触らずに、葉っぱ(水処理済み)を1枚程度入れておけばよい。
ちまちまと食べてくれる。
飼育器のなかにティッシュはひいておいた方がよい。フンの有無で生存確認ができるし、掃除もしやすいからだ。

そしてベビー幼虫たちは脱皮を繰り返す。
アゲハの幼虫などはご丁寧に、きれいさっぱり脱いだものを食べて処理してくれるのだが、
ツマちゃんたちは脱ぎっぱなしだ。
急にご飯を食べなくなり1日くらいじっとして次の日、まっくろくろすけのような塊ができていれば脱皮成功。

たしかにこのウニのような塊を食べたいとは思わないよね。

脱皮直後の幼虫は白い顔をしていて、トゲトゲも白っぽい。
ちなみにツマちゃんには毒はなく、トゲトゲも見掛け倒しの歯間ブラシのような手触り。
(当たり所によってはちょっとチクッとするが)







2021/06/05

わさびのシコリ 8 そして頻尿・・・

 シコリの手術から一カ月半ほど経った。

その間、服は着せていた。昨日、病院へ行くために久々に服を取ると、30分以上かけて毛づくろいをしていた。

もともと毛づくろいが大好きなわさびだから、そうとうストレスがたまっていたのかもしれない。

微笑ましく見ていたが、傷の部分を気にして舐め続けるのでこれはよくないなと思った。

とりあえず様子を見た。


簡易ケージはなかなか気に入ったようで、術後もその中で休んでいたり、ゴハンを食べたり、おしっこをしたりと至れり尽くせりな感じだったのだが、その隠れ家遊び?もブームは過ぎた様子。

ただ相変わらずゴハンはそこで食べるし、トイレもよく使うのでしばらくこのままでいようと。

災害時のことも考えると、ケージに慣れてくれた(しかも気に入ってくれた)というのは怪我の功名だったかもしれない。


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いたって元気そうなのだが、別に気になる症状が出てきた。

頻尿である。

今月に入って気づいた。毎日、5回から6回している。しかも、色が薄く臭いも少ない。


これは腎不全の兆候ではないか?ついに、恐れていたことが!!


もともと尿石症があり、ストラバイトもシュウ酸もでてしまうこだったので、高齢になりいづれは…と思っていたが、それでも戦慄が走った。気づいたその日からあまり眠れなくなってしまった…。


すぐに尿を持参し病院に検査に行った。

比重が1.03、シュウ酸が出ており鮮血も出ているが膀胱炎ではないようだ。

腎臓に問題があるのかどうかは血液検査(+SDMA)を受けなければわからない。

この血液検査に関しては、クレアチニンなどに値が出てしまった時は腎臓の75%が機能を失っているという。

SDMAはそれが40%の段階でわかる可能性がある。

迷わずお願いした。


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さて、その後すぐに病院へ行き、術後検診、検査とワクチンを打ちに行った。エコーも入れてのフルコースである。

傷の状態も診てもらったが良好。再発は、、わからない。転移は少ないようだが可能性がないわけではない。

舐め壊す可能性があるので服はまた着せることにした。

血液検査はBUNが上昇傾向、クレアチニンは正常。SDMAの結果は3日後くらい。

実家の猫が苦しんだ甲状腺機能亢進症の検査もお願いした。この甲状腺機能亢進症でも多飲多尿となるらしい。

エコーではやはり腎臓、膀胱双方に石が見つかった。シュウ酸だろうとのこと。

シュウ酸は療養食では溶かせない。なるべく尿で出すことが大事というが、それでも6回は多い…。


わさびはひどい外耳炎もやった。6年前のことだ。

それから家では定期的に専用アルコールで耳を洗う。いづれこのことについても書き記しておこうと思う。

耳の状態は少し油のかたまりが見えるが良好だった。


体調に問題もなく、ワクチンも打った。三種混合の生ワクチン。

これは10年前から変わっていない。

このワクチンがこれまで怖い猫風邪からわさびやくるみを守り、今回の入院中も不安が無かったのだと、このご時世で改めて思う。


わさびは診察中も終始ニャオニャオとなにか言っていたが、帰りには疲れてしまったのかだんまりに。

それはそうだ、フルコースだもの。ニンゲンだってげんなりです。。



腎臓の検査結果は来週。

そこで腎不全が発覚すれば、否応なしに腎臓サポート系のごはんに移行。


尿石症もある猫に、これが結構不安なのである・・・。






 

 


2021/05/03

わさびのシコリ 7 抜糸

 5月1日

やっと抜糸。
シコリの周りをかなり切ったので、脚からお腹のあたりにかけて痛々しい。
先生が手際よくさっさと糸を取っていく。これが、けっこうちくちく痛いんだよね。
よく頑張ったよ、わさび。
そしてその後、初めての術後服。
茶色いからだに黄色いお洋服、、なんかチョコバナナみたいだな…と思う。
これでエリザベスカラーは外れ、毛がほわほわ生えてくるまで約3週間~1カ月は洋服生活となる。
毛が生えるスピードは人間といっしょとのこと。
猫にとっては違和感ありありだろうけど、傷のためにしょうがない。
それにしても、なんだかやたらにかわいい姿!
飼い主側としては、他の色の洋服も着せてみたい衝動に…。

腫瘍についてはまだ確定ではないけれど、やはり良い物でないことは確か。
ワクチンが原因で起こるともいわれる線維肉腫もどき?という。
広く言えばガン…。この手の腫瘍は近くに散らばるため、
再発の可能性も否めない。確立や頻度はわからないという。
だから、今回の手術はかなりの広さを取って切除された。
腫瘍の近くにあった小さなシコリも取ったとのことで、これは脂肪腫と脂肪肉腫の間のものと言っていた。

どうか今後、再発が無いよう、祈るしかない。


帰りはわさびもくったりとしていた。やはり病院は疲れちゃうよね…。
しかもちくちく痛くて怖かった。
そういえば、入院中お世話になったお姉さんのことを覚えていたらしく、
お姉さんが近づくと少し表情が変わった。


ワクチンは1カ月後にしましょうとのこと。
今、ニンゲン界でもワクチンが話題だけど、
ヒトもネコも、体調が悪い時は無理せずに、ということなのだ。



2021/05/01

わさびのシコリ 6 快適??ケージ生活

 わさびは24日無事に退院後、ケージ生活となった。

まさかの時のために買っておいたソフトケージ。そして子猫用のおトイレ。

こういう時に役立つのだ。


わさびは思いのほか前期で、不満そうに鳴いては時々ケージの中で大暴れする。

軽いケージが転倒しそうになるので、ビニールひもで補強した。


あきらめると、温めたユタポンを抱きしめるようにして寝ている。時々、おトイレを枕にしながら…。


トイレは順調だったが、ケージ生活初期は3回に一回外に漏れてしまっていた。

外でしたというより、わさびはトイレの壁に向かっておしっこを引っかける癖があり、それが出てしまったのだと思う。

それもほどなくして無くなり、おしっこもうんちも良好だった。

おしっこは1日2~3回、うんちは中指二本くらいを1日1回。


食事もよく食べていた。同居猫のくるみに食べられる心配がないので食事は出しっぱなしのため、いつもよりよく食べ40gくらいを完食していた。これは良いと思った。

お水もよく飲んでいた。


退院3日くらいから、時々ケージの外に出して、付き添いで散歩した。

包帯とエリザベスカラーが痛々しいが、よちよち歩く姿がなんともかわいらしい。

くるみはその姿を見るたびに始終警戒し、近くに近寄ろうとしなかった。

気のせいか、くるみの食欲がちょっと落ちてしまったようだ…。


日増しに元気も増してきて、カラーのフチをごつごつぶつけながら部屋中歩く。

勢いあまって破れかけの網戸を破壊してしまった…。

危なっかしくて散歩中は見ていないといけないが、

大きな手術をしたあとだけに、本当に元気でよかった。


2021/04/25

わさびのシコリ 5 退院

 4月22日 おみまい

わさびに声をかけると元気に鳴いた。前日にガス(おなら)がバッっとでて、粘液のついた便がでたという。おそらく抗生剤の影響か。そのせいで少し食欲がないという。大好きなとりささみのチュール(下部尿路配慮)は食べた。

おしっこは出ているので水は飲んでいる。

夜にノミの薬(レボリューション)を打ってもらう。


4月23日 おみまい

昨日よりも元気鳴く。

まだごはんを食べていないというのでチュールを一本まるまる食べた。

おしっこは二回。

かまっていると積極的に動こうとするので、日に日に回復している様子。

傷のくっつきもよいとのこと。

介護士のお姉さんがわさびがお返事してくれるようになりましたよぉと言っていた。

「けっこう、おしゃべりですよね」

そうなんです、しょっちゅうなにかしゃべっているけど、

たぶんその大半は文句か欲求なんだろうな…。



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4月24日 待ちに待った退院

家人とおむかえに行く。介護士のお姉さんに抱えられてくる。

エリザベスカラーを巻いたわさび。

傷はまだまだ痛々しいが、もう化膿するということもなく、包帯は巻いておく。

抜糸は来週。

持ってきたナイロン製のエリザベスカラーをお姉さんに見せると、まだ硬いエリザベスカラーの方がいいですよ、とのこと。

なるほど、柔軟性のあるカラーだと、傷を舐め壊してしまう可能性があるのだな。


帰路でも元気に(というか不満げに?)鳴いている。

家に帰って用意しておいたソフトケージに入れると、さらに元気よく。

思いのほか、元気で動こうとするので、水やフード皿をひっくり返してしまう。

エネルギーチュールをあげるとペロリ。

出せとさんざん鳴いて、しばらくして鳴き疲れると静かになった。


毛づくろいをしようとして、太もものやわらかい包帯をなめて飲んでしまうので、そこをテーピングでカバーした。


おしっこはすぐにして、お水も飲み、夜にはゴハンも食べていた。

…が、夜にけっこう鳴いて暴れるため、ケージ付近の家人はなかなか眠れなかった様子。


傷のため、あと1週間、ケージなんだよなぁ。。

がんばれ、わさび。

2021/04/20

わさびのシコリ 4 おみまい

 わさびの腫瘍除去の手術後、3日目。

病院に会いに行くと、昨日よりやや元気そうな姿。

もちろんエリザベスカラーをつけてくったりとはしているが。

先生から、カリカリごはんを自力で食べましたと聞き、ほっとする。

おしっこもたっぷりしましたよ、と。

お水については、皮下輸液をしているので、やめてみます(=飲むかも)、ということだった。

ケージには小さいおトイレと、お水とカリカリごはん。

少しずつ、回復している。


わさびの小さな顔や、さらに華奢になってしまった身体をさすってあげると、気持ちよさそうにしている。鳴き声も昨日より元気そうだ。

しばらくするとむくむく動こうとした。

ダメダメ、まだ動き回ってはいけないのだ。


今日は初夏のような陽気だ。太陽がいよいよ眩しくなる。

季節の移り変わりがここのとこ、やたらに早い。4月というのに台風も発生している。

そして、またまた不安なコロナの足音。東京もいよいよなのかな…。

なんだか落ち着かない世の中だ…。

マスク、消毒、人との距離。食事なんか家人とさえもここ一年以上別にしている。

もともとインドアでお酒は飲まず外食もほぼしないから、生活それ自体が大きく変わるわけではないが、

ウィルス以上に蔓延する社会不安が気持ちをどんよりさせる。


それでも大事な大事なわさびの一大事。

どしゃぶりのなか、小さな傘をさして、走っていくような気持ち。


ちなみに、わさびのお隣で入院中の猫さんがとってもかわいい。

愛嬌のあるお顔に癒される。



2021/04/19

わさびのシコリ 3 手術

17日 手術当日

前日からわたしの気分は落ち込み、家人も口数少なく…。

わさびの朝食は抜き。朝からごはんよこせのぺろぺろ攻撃(顔中なめてくる)、

ごはん皿の前でちょこんとすわり、ずっとこちらをみつめてくる姿に切なくなる。


特に抵抗もなく、リュック型のキャリーにすとんと収まる、軽くて小さなわさび。

ちなみにこのリュック型キャリーはペットキャリーに見えづらく、外を歩くと行き交う人にどこで猫が鳴いているのと不思議そうな顔をされる。形はあのウー〇ー〇ーツそっくり、なので、うちではウー〇ーキャッツと呼んでいる。


病院に着き、先生に説明を受ける。

老猫なので麻酔は浅め(注入+吸入)、短時間で切除し、すぐに起こす。

術後は抗生剤。

脚のつけ根付近からお腹にかけて切るので、動いてしまうと傷が開いてしまう。ちょっとかわいそうだが数日狭いケージに入れてじっとしていてもらう。

なにより術後、傷をくっつけることが最優先だと。

入院のストレスで食べなくなってしまうかもだが、食べないと傷がくっつかないので食べさせますとのこと。


爪を切ってもらったときに、爪が平たくなっていますねと言われた。お歳になってきたいうことですよと。

わさび13才8か月。


もう、すべてお任せして、祈りながら待つしかない。

わさびをキャリーに入れたまま預け、帰りは二人で近所の八幡様にお参りに。


わさびがいないと、やはり、家族がいないようで、寂しいことこの上ない…。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


19日

待ちに待ったお見舞いの日。

早く明日になれと、前日は9時には就寝。


ドキドキしながらわさびのもとへ。

コロナ渦、幸い電車はめちゃくちゃ空いている。


運ばれてくると大きな声で鳴いていて、ひとまずほっとする。

調度、ガーゼを取り替えるということで、わさびの傷を見せてもらった。

小さな体に、長くて痛々しい。

麻酔の目覚めは良く、腫瘍は楕円形だったのでマージンを取ってかなりの範囲を切った。

怪しいものも取とりました、深いところにまで達してはいませんでしたよという言葉にほっとする。

抜糸は2週間後。腫瘍は病理検査に。


がんばったね、わさび(泣)。。


おしっこは自力でペットシーツにしているが、お水は飲まないので皮下輸液。

ごはんも食べようとしないので一日2回、缶を2個あげている。

事前に預けたチュールも2本食べた。

これから2,3日で食べてくれるかもしれませんとのこと。


ケージに移され、介護士のお姉さんが私の持ってきたフリースを入れてくれた。

寝そべるわさびに声をかけ続けると、少しずつ声色が変わってきて、

少しぐるぐるが混ざった声になったが、きっと怒っているんだろうなという感じだった。

おとなりで入院中の恰幅のよい猫ちゃんが元気にニャーと鳴いてくれた。


帰路、ひとりとぼとぼ歩いているとなんだか泣けてきて、

しかし人前で泣くのは恥ずかしいから、空を見ながら、目をぱちくりしながら、

深呼吸で歩き続ける。


わさび、もうちょっとがんばろう!

明日も会いに行くからね。






2021/04/12

わさびのシコリ 2

まだ起きてもいない未来について、思考がぐるぐるまわり、

不安になったり、怖くなったりして、

頭の中に巨大な低気圧がぐるぐるとぐろを巻いているみたいだ。

夜は特にひどい。昼間も発作のように襲われる。


愛猫がおなじ病に罹患した方々のブログを見て、いろいろと知ったり、

励まされたり、慰められたり。。


ただ、このネット時代、心の均衡を保つため、情報を集めすぎない、触れ過ぎないというのも大事かなと思う。


手術することになった。家人と決めた。

お互い、後悔はしないということで、本当は今日にでも切った方がよいのだろうけど、

気持ちの整理をつけるために少し時間をもらった。


彼女の体調や年齢と、可能性を信じ、祈るような気持ちで毎日を過ごすしかない。



しかしまんまと、自分が体調を壊してしまう…。

よく眠れず、ここ二日間、頭痛がひどい。

しかも今もまだこの国はコロナのまっただ中だ。

1年前となんら変わらず、ワクチンもカタツムリの歩みより遅い…。

しかも、東京はこれからまた巨大な波(第4波)にのまれてしまうのではないかという不安。

誰かと飲み食いやマスク無しの会話など、感染するような絶対に行為を行わず、

じっと嵐を過ぎ去るのを待つしかないが、

ここにきて愛猫の大病…。


猫とともに生きているからこその幸せと、苦悩。

これがわかるのは、同じ猫とともに暮らす人々だとあらためて感じている。



わさびはいつもと変わらず、今日はちょっと寒いのか、

電気ストーブの前でお昼寝。

2021/04/10

わさびのシコリ 1

 心の整理をつけるためには、書くことがよいこともある。


わさびの右足の付け根付近の、柔らかくのびる皮膚の中にその小さなシコリを最初に見つけたのは、家人だった。

わさびは機嫌のよい時、猫用トイレの上にのって「肩揉みをさせろ」とせがむ。

家人や私がそばに行き肩を近づけると、両手を伸ばし、肩揉みをしながら伸びをする。

とても愛らしいしぐさだ。その時に家人が、彼女の足付け根付近の皮膚のたるみを触っていて、発覚したのだった。

2月上旬のこと。ツルリとした感じの小さなシコリで嫌な感じはしなかった。

しかし、猫のシコリは侮れないというので、その約1週間後に病院へ。

針生検をしたがその時は脂肪腫と診断。


その後、シコリは日を増すごとに大きくなっていく。

あまり触ってはいけないと思いつつ、肩揉みタイムの時や、わさびがわざと顔に乗ってくるときなどにふと触れてみると、その都度、なんだかシコリの様子が変わっていく。


最初の異変はもう一つ、小さなシコリがそばにできていたこと。

米粒より小さいものが、その後本体のシコリとつながり、合体した。

その頃には明らかに大きくなっていて、触感もごつごつとしており、私は違和感と不安感に苛まれた。

ネットで検索しいろいろと調べると、頭がぐらつくような記事をいくつも目にした。

{いやいや脂肪腫といわれたではないか。しかし、でも、でも、違和感がある}

不安に押しつぶされそうになり、一人で涙にくれたこともあった。

でもここで、わさびを守るべきニンゲンが萎えていては、守れるものも守れない。

気持ちを切り替えて、まずは再検査だと考えた。

そして4月も中旬になる頃、事前に事情を話し、わさびを連れ家人と病院へ。


結果は、やはり…というものだった。

確定はまだできないが、今回の針生検ではシコリの組織がもう少し取れ、良い感じのしない細胞がでてきたという。結論から言えば、線維肉腫の疑い。


シコリは約二ヵ月で5mmから25mmに。五倍になっていた。

幸い深部にまで達してはいないという。オペをするならなるべく早く、ここ1~2週間でということだった。


それまで、あらゆる情報をまさぐり、不安や恐怖に何度も脳天を突き刺されて、ある程度覚悟はしていたが、それを聞いた時にはさすがにショックを受け、全身の信号がフリーズして、逆に無風状態となってしまった。

これからの反動が怖い。


悪性疑いが強いため、シコリはかなりのマージン(範囲)を取って切除することになるが、タイミングとしては一刻も早くというのが実情だろう。

13才8か月という高齢。繊細でとても華奢な猫だけど、これから巨大化しその身体を蝕むものをほうっておくわけにはいかない。

私も家人も、手術に異論はない。



・・そしてこのシコリにはある禍根がある。

私たちが無知で愚かだった。それにつきる。

それは10年前に遡る。

あの日に打った、4種混合ワクチンのことだ。

ここでは記さないが、今であれば調べればいくらでも出てくるだろう。

しかしそれが原因とは言い切れず、わさびが相応な高齢にさしかかったということもあるだろう。

だが肉腫を誘発する疑いがあるというのなら、これから猫ちゃんと生きようとする方には、そこは絶対避けて通ってと声を大にして言いたいのだ。


私たちは押しつぶされそうなほど「あの日」を後悔をしている。

そして辛くても目を背けず、向き合わなければいけない。

なにより今現在、一番病と戦っているのはわさびなのだから。

彼女にとっての最善を、一生懸命、考えなければならない。






ツマグロヒョウモン 99 どんな姿で羽化しても

 ツマグロヒョウモンのオス、ツマオさんが今年の1月30日に旅立った。

110日間一緒に過ごした。

旅立つ2日くらい前からハチミツ水を与えても反応が乏しく、けいれんしているような姿も見せていた。

目はだいぶ前から赤黒くなってしまっており、見えてはいなかったと思う。ただ嗅覚は大丈夫ではないかと思い、時折ビオラの花をケースにいれてあげた。


ツマオさんは羽化の時、アクシデントがあった。

殻のなかの液体が体の一部にくっついてしまっており、自力で抜け出すことができないでいた。こういうことはままある。

偶然、家人がそれを発見し、様子がおかしいと教えてくれた。

身体は抜けかかっていて、うんしょうんしょと頑張っているが、なにかひっかかってしまっているようだ。そんな状態が少し続いてしまっていたのか、翅はのびきらずに波打ってしまっていた。

家人が器用に殻と体を分離させてくれた。(前にもこういうことがあり、模型用のピンセットで器用に剥がしてくれた)

ひっかかっていたのは口吻と触覚だったようで、片方の触覚は殻にひっついたままとれてしまい、心配だったのは口吻だった。

口吻は通常、翅を広げ乾かしているうちに二本のものが一本にまとめられ、くるりと口元に収まっていく。

ツマオさんの口吻は先端が割れてしまっていた。二股のようになってしまったのだ。

これでちゃんと食事がとれるのか不安あったが、それは彼が7日生き続けた段階で解消された。

一週間以上生きるというのは、与えた蜜を吸えたということだ。安堵した。

ただ、つかまる力が弱く、見た目もあいまって、一カ月くらい一緒にいられれば…という気持ちもあった。


しかしこのツマオさんはそんな心配もどこ吹く風、驚異的な生命力で110日生き抜いてくれた。

一日1回のハチミツ水をおいしそうに吸っていた。それがまた個性的で、口吻をハチミツ水をふくませたティッシュに器用に押し付けては、象のように高く上げ、また押し付け、それを繰り返していた。

なんともかわいらしい姿だった。


飛ぶことのできないウェーブのかかった翅もそれはそれで美しく、ツンと上を向いたパルピはずっとついたままだった。(ツマグロヒョウモンのパルピは良く取れることがある)


なにより、新型の感染症で不穏な世界の中、不安と憤りとが渦巻く中で、彼の存在は一筋の光のようだった。


{ 彼を大事にできただろうか  本当に大切にできたのだろうか }

自問自答の日々である。


私にも暗い空気がまとわりつき、特に秋から冬本番にかけて正直余裕があったとは思えない。

ただツマオさんがいなくなって、春が少しづつ顔を見せはじめ、種から育てたビオラが次々と開花しはじめていくのを見て、時々寂しさと切ない思いがこころのなかを駆ける。



小さな体で生きた110日という期間は、やはり重い。

とても大きい。