Kyon {Silence Of Monochrome}

Kyon {Silence Of Monochrome}
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2017/12/31

ツマグロヒョウモン~3頭のツマさんたち(羽化不全と保護したこ)18~ 皆で年越し

12月31日 大晦日
今日は曇っていて、一段と冷え込む。
部屋のなかも14℃前後・・・。

うちで羽化不全で産まれたツマジロウさんは31日目、
外で保護したツマサブロウさんとよっちゃんは産まれて30日目。
まだまだ元気そうだ。

昨日は昼頃、ツマジロウさんとツマサブロウさんに蜜を与えていたら、
さっさと吸い終わったツマサブロウさんがまたもや、ツマジロウさんに近づき、
まだ食事中のツマジロウさんを足蹴にしてしまった!
そのはずみで、ゆっくり食事していたツマジロウさんは食欲を失ってしまう・・・。
この二頭を近距離で食事させるのはやめようと思った。

食事後しばらくして、ツマジロウさんは座ったまま?おしっこをしたが、
ツマサブロウさんは羽ばたきながらおしっこをした。
これも性格なのか??


そして今日も同時に二頭に食事をさせたが、ツマジロウさんとツマサブロウさんの距離をあけてみた。
口吻を綿棒にこすりつけては忙しく吸っているツマサブロウさんと、じっとゆっくり吸うツマジロウさん。
またもやさっさと吸い終わったツマサブロウさんがツマジロウさんに近寄って行ってが、
途中の柱(キッチンペーパーを丸めたもの)に気を取られ、そちらに方向転換したので、ツマジロウさんは足蹴の難を逃れたようだった。


部屋があまりに寒いので、あまり好きではないエアコンを20℃設定で入れた。
ほどよく暖かくなったのか、よっちゃんがゆっくりと翅を広げ、ハタハタさせていた。
しかし、今日は三頭ともあまり動かずゆっくりと過ごすこととなった。


チビ幼虫は朝からずっと割りばしの上の方にいたが、
午後、ゆっくりと動き出し、スミレの葉を食べていた。
そしてまた、割りばしの上の方に帰って行った。
もう冬眠用の枯葉は必要なさそうだが、チビの気が変わるもしれないので、まだ入れておこうと思う。
チビもあれから少しずつ成長してきた。

出会ったころよりも成長した幼虫。

幼虫が一回に食べる大きさ。
この食跡がツマちゃんの幼虫がいたかも?という目印。


ニンゲンと猫たちと、カタツムリと、蝶3頭、そしてチビ幼虫、
皆でそろって年を越すことができそうだ。

よかったよかった。

窓辺で日光浴中の猫たち。手前がわさび。




2017/12/29

ツマグロヒョウモン~3頭のツマさんたち(羽化不全と保護したこ)17~ よっちゃんのパルピが…

12月29日
穏やかな晴れ。

ちょっと日光浴をさせて身体を温めたあと、ツマジロウさんたちの食事とした。
いつも早食いのツマサブロウさんは、お腹がすいていたのか、蜜をすぐさま吸っていた。
綿棒の下の方まで口吻を動かし延ばしながら。


そこで、昨日、よっちゃんに異変が。
昼頃、特大ネットで日光浴をし、羽ばたいていたよっちゃん。
その後、食事にしようとよっちゃんを見たら、なにか顔が変である・・・?!
よくよく見ると、どうやら左側のパルピ(下唇髭:かしゅうこん)がずれてしまっているようだった!
ツマグロヒョウモンの顔の下地は黒いらしく(少し光沢がある)、それが見えていて、妙な感じになってしまっていた。

翅が少しづつ欠けてきたよっちゃん。

大丈夫か…と思いきや、今日、よっちゃんをみると、ずれたパルピを器用に動かしていた。
食事の前に特大ネットで少し日光浴をしたあと、同じように羽ばたいたよっちゃんから、ぽろっと何かが取れた・・・。ずれたパルピが取れてしまっていた・・・。



ショックである。

本人は口吻がしまいにくそうな感じになってしまっているが、もともとしっかり収納できていなかったので、見た目はあまり変わらない。
パルピが取れてしまった蝶をこれまで、見たことがないし、口吻やパルピといった構造を知ったのもごく最近である。
私も困惑しているが、様子をみるしかない。
翅も傷んできたよっちゃん。。しばらく、おとなしくしていてもらおうか・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

一方、チビ幼虫。先日からケースに割りばしを入れておいた。
10月からずっと飼育していて、彼らは必ずといっていいほど、割りばしをいれるとそれを登る。
チビ3号も同じように、すぐに割りばしの「登り加減」を確かめていた。
割りばしの上側で休み、スミレを食べるために下に降りてくる。
スミレを食べたあとは、また割りばしの上に戻り、しばし休憩。
これの繰り返しが、かわいらしいなあと、いつもいつも思ってしまう。

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夕方、ツマたちの食事とした。


食事中のツマサブロウさん。

ツマジロウさんとツマサブロウさんに同時に蜜を与えた。
ツマジロウさんがじーっと静かに吸っている横で、サブロウさんが口吻を忙しく動かしながら吸っている。そしてさっさと吸ってしまうと、ツマジロウさんに寄って行き、
ツマジロウさんを踏みつけていった!
オロオロと困惑するツマジロウさん・・・。

ツマサブロウさんがツマジロウさんを脚ではたいたりしているのは何度かみているが、
食事の最中、踏みつけていくとは??
この二頭、うまくいっているのだろうか・・・。




2017/12/27

ツマグロヒョウモン~3頭のツマさんたち(羽化不全と保護したこ)16~ チビ幼虫は元気です

12月27日
冬晴れが続いているが、風が冷たく日中も寒い。

ツマジロウさんは27日目、ツマサブロウさんとよっちゃんは26日目となった。

ツマジロウさん。


うちはエアコンをつけないため、室温は17℃前後なので、やや寒い。
ツマたちは30分ほど日光浴をして体が程よく温まってくると、羽ばたいたり動き回ったりするが、
それが終わると、じっと静かにしている。

二頭で翅を広げて日光浴。

気になるわさび。


よっちゃんはだいぶ翅がいたんできて、本人はさほど気にしていないだろうけど、
私が見ていてつらいので、最近の日光浴の時間を短めにした。

ツマジロウさんとよっちゃんは10分以上かけて蜜を吸うが、
ツマサブロウさんは相変わらず早食いである。
ささっと蜜を飲むと、すぐにケースの上の方に行ってしまう。
眠るときもだいたい上側が多い。


食事中のツマジロウさんとツマサブロウさん。
ゆっくりじっくり吸うツマジロウさんに向かって、
さっさと吸い終わった早食いツマサブロウさんが近寄り、
ツマジロウさんにタッチ!します。



日光浴の時は、二頭とも、気持ちよさそうに翅を広げて、日を浴びている。





さて、今月の中旬に、スミレをさっぱり抜き取られてしまった場所で、たった一匹、保護したチビ幼虫。


私には幼虫の越冬経験がなく、毎度、生存確認をするのも双方に負担と思い、
普通に育てることにした。
といっても、室温、気温ともに冬の温度なので、成長は遅いと思う。


出会ったエピソードから、この子にはなんとか生きていてほしい、そして無事に蝶になってほしい・・・そんな強い想いがある。


幸い、スミレを確保できる場所はまだまだあった。
抜かれてしまったのは、葉がヘラ型のノジスミレだったが、反対側の道路沿いには、タチツボスミレが群生していた。
タチツボスミレは葉が大きいので、養育には助かる。
さっそく、チビさんは、ノジスミレとタチツボスミレ、両方の葉を食していた。
食事する姿はいつみてもかわいいものだ。耳をすますと、カリカリと葉をかじる音が聞こえる。
保護したころよりも、少し成長したようだ。



路面のスミレはかわいい紫色の花を咲かせている。
車の排気ガスやヒトの往来の多い場所で凛と咲く。
なんとも、たくましい花だと思う。






2017/12/24

ツマグロヒョウモン ~ツマサブロウさんがパルピ(下唇鬚)を動かす~

今月の14日に少し珍しい?動画が取れた。
ツマサブロウさんが口吻の左右にあるパルピ(下唇鬚)を動かしていたのである。



彼らを見ていると、よくパルピを左右に動かしているのだが、ほんの一瞬のこと。
パルピには口吻をお掃除したり、眼をワイパーのようにふく役目があるのだとか。

見れば見るほどくせになる、ツマグロヒョウモンさんたちです。

ツマグロヒョウモン~3頭のツマさんたち(羽化不全と保護したこ)15~

12月24日
曇りで時々日の光がさす。
無農薬で頂いてきたスミレの苗の成長が楽しみな今日この頃。
一方、芽吹いたスミレの小さな芽が心配で、夜は霜よけのビニールをかけている。
9月頃から育てているビオラは今でもこんもりと、美しい花を咲かせている。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ツマジロウさんは24日目、ツマサブロウさんとよっちゃんは23日目。
みな元気に過ごしている。

翅はみなボロボロになってきて、よっちゃんの翅は左右の上翅の先が欠けてしまった…。
蝶のシーズン、外でもそういった蝶は度々見かけた。
夏場、ツマグロヒョウモンはとても素早く飛び、警戒心が強いので、私がなかなかカメラにおさめられない時、久々にシャッターを押せたのは、一部の翅が欠けたツマグロヒョウモンであった。



よっちゃんはまだまだ飛ぶ力があるので、日光浴できる日は特大ネットに移して、なるべく広い空間で飛んでもらっているが、それでも翅は傷みだした。


今日は曇り空なので、ツマたちは休息日にしてもらおうかと思っている。
ちょっと遅めの、ブランチ的な食事を取ってもらった。

いつも気まぐれで早食いのツマサブロウさんが、今日はめずらしく念入りに蜜を飲んでいた。はちみつ水綿棒をのせたお皿についた水滴も丁寧にこすり取っているような感じ。よっちゃんもゆーっくりと吸引して同じように水滴も飲んでいた。

ツマジロウさんはあまりお腹が減っていなかったのか、そそくさに食事を終えてしまった。
昨晩も、なにやら暇そうに口吻をちゅるちゅるとしていたツマジロウさん。見てれば10分以上ちゅるちゅるしている様子だった。

ツマサブロウさんの短気なところしかり、ツマジロウさんの口吻ちゅるちゅるも、やはりこのこの個性だと思う。



ツマサブロウさんのアップ。

翅が欠けてきた、よっちゃん。

ケースを見つめるにゃんこたち。

2017/12/21

ツマグロヒョウモン~3頭のツマさんたち(羽化不全と保護したこ)14~

12月21日
穏やかな冬晴れが続いている。昼間はほんのり暖かい。


日光浴中のツマジロウさん。

日光浴するツマジロウさんとツマサブロウさん↓


ツマジロウさんは21日目、ツマサブロウさんとよっちゃんは産まれて20日目となった。
みな、翅が少しづつ欠けてきた。
ツマジロウさんは以前よりもゆっくりと蜜を飲むようになった。
よっちゃんも…。
ツマサブロウさんは時々、飲みたくないらしく、そういう時はあきらめて次の機会にしている。
1日2回の食事は守っている。

3頭ともまだまだ元気そうだが、確実に時を重ねていると感じている。

ツマサブロウさんは休むとき、ケースの壁面の上の方や蓋に捉まっていることが多い。
蝶の本能かもしれないが、腕力がある証拠だと思う。
よっちゃんもネットの中に備えてある草木にとまるか、ネットの上の方で休む。


ケースに貼りつくツマサブロウさん。
まだまだ、腕力があります。


一方、ツマジロウさんは、ケースの下に置いてある、丸めたキッチンペーパーに両脚をかけて休んでいることが多い。そこで口吻をちゅるちゅると動かしている。


キッチンペーパーに寄りかかって休むツマジロウさん。
休むときは触覚もやや平行になります。


なかなか、皆、個性的である。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

保護したチビ幼虫は半ば冬眠中かあまり動かない。日ごろは枯葉の裏にいて眠っているようだ。
チビを入れた虫かごは、夜は玄関にしまう。
昼間は暖かい日差しのなか、少しケースを置いておくと、チビがひょっこり顔をだすことがあったが、それも少なくなった。
でもいつ食事をするかわからないので、ケースの中にスミレの葉を絶えず入れておくようにしている。
この葉の補給が、スミレの群生地が無くなってしまった今、とても難しい。
以前、幼虫を飼育していた時に見つけておいたスミレスポットはあと何か所かあるので、そこでなんとかしのいでいるが・・・。

悩みに悩んで、自分でもなんとかしようと、先日は無農薬のスミレを苗を探し、購入した。
ニオイスミレという種のスミレである。
まだ小さな苗だけど茎がしっかりしていて丈夫そうだった。このこたちを大事に育てて、春までに少しでも成長してくれたらと思う。



チビ幼虫は3~4月までなんとかこの状態で越冬させたい。
そして5月を過ぎたら、無事に蛹化し、羽化して、大空を舞ってほしいというのが私の願いだ。
幼虫の越冬は初めてなので不安も多いが、なるべく自然に近い状態で過ごさせようと思う。


日光浴するツマたちが気になって仕方ない。
しかし、ついつい紙袋にも入ってしまうわさび。




2017/12/19

ツマグロヒョウモン~3頭のツマさんたち(羽化不全と保護したこ)13~

12月19日
冬晴れが続いている。
昨日、なかなか蜜を吸ってくれなかったツマサブロウさんは、少し朝日で日光浴させたあと、蜜を吸ってくれた。
綿棒の上に口吻を忙しく擦り付けては飲む。満足すると口吻をまとめるので、
指を差し出すとそのまま乗ってきた。
ツマジロウさんは静かに蜜を吸う。口吻を綿棒にのせたまま、時々思い出したように口吻を動かす。
弱ってきたのかな…と少し心配になった。

ツマジロウさんは今日で19日目である。飲み終わったあとも綿棒から脚を離さない。
指を差し出すと、弱々しく脚を乗せてくる。
そういえば昨夜、ケースの正面で休んでいたツマジロウさん、時々覗くと、口吻をチュルチュルと動かしていてかわいかった。
ツマジロウさんはこれをよくやるのだが、癖なのだろうか?

一方、よっちゃんは蜜をあげると、それはそれはゆっくり丁寧に飲む。
猫に注目されるなか、日光浴で翅を存分に動かしたと思い、おなかがすいたのだろう。
10分くらい吸っているので、その間家事をしていると、満足したよっちゃんはいつの間にか、ネットにいれてある草花につかまり休んでいた。


特大ネットの中のよっちゃん。
ツマグロヒョウモンの裏翅はほんのりサーモンピンク。
そして、朝日があたると白い部分がキラキラとして美しいです。


三頭のツマたちは、だいぶ翅がくたびれてきたものの、まだまだ元気そうだ。
皆、それぞれ個性があって面白い。
蝶がこんなに深い生き物だったなんて…。
この前保護したチビ幼虫も含め、
みんな一緒に年越しできることを、切に願っている。



吸蜜するツマジロウさん。

ツマジロウさんアップ。
複眼の中央には偽瞳孔。
これによってどこからみても、こちらを見ている感じがします。

ケースに貼りつくツマサブロウさん。
このこは動きも活発でアクティブです。



2017/12/17

ツマグロヒョウモン ~3頭のツマさんたち(羽化不全と保護したこ)12~

12月17日
すがすがしい青空。そして冬の寒さ。

先日のスミレショックからなかなかたちなおれない。
それでも、我が家のツマたちは元気に過ごしている。

ツマジロウさんは17日目、ツマサブロウさんとよっちゃんは産まれて16日。
みんな、翅がだいぶぼろぼろになってきた。
とくにサブロウさんがひどい。

蝶の翅はとっても柔らかくてデリケートだ。
時が流れるにつれ、翅をおおっていた鱗粉がはげて、翅の先のほうから欠けてくる。
外の蝶たちのなかには翅がボロボロになっているこがいるが、長く生き抜いてきたこたちということかもしれない。
蝶は生態系の末端にいる。捕食者が多いのだ。
クモに、ハチに、カマキリに、アリに、鳥に、猫に、そして標本目当てのニンゲンも・・・。

幼虫から蛹となり、羽化しただけでもすごいのだが、
そのか弱い身体で、敵の多いなか、生き抜いてきたこともすごい。

彼らのことについて様々なことを知ってしまったから、冬が終わり春に見る蝶たちは、私にはますます神々しく映るだろう。


今日はツマたちをたっぷり日光浴させた。
あたたまると活動も高まって彼らを消耗させてしまうのが心配なのだが、日の光を浴びて、ゆらゆらと翅を動かす姿は心地よさそうにも見える。
日光浴させたあとは、食事タイムとなる。
運動した後なのでみなよく飲む。

ツマジロウさんは10分くらいかけて蜜を吸う。
最近吸っているまま動きが止まってしまうので、ちょっと綿棒を動かすと{ああそうだったっけ}というような感じで口吻をしまい、えっちらほっちら移動する。

よっちゃんも何度も何度も口吻をはちみつ綿棒にこすりつけて、念入りに吸っている。
満足した後は決まって、ネットの上の方に移動する。


彼らのお世話は正直、ちょっと大変なのだけど、いつまでも一緒にいられたらと思う。
別れはつらい。
いつかくることはわかっているけど、そうだからこそ、「今」その時が大切なんだと感じている。

かれらがじっくり蜜を吸っているその姿を、ずうっと見ていたい・・・
日の光を浴びてゆっくり翅を動かす姿を、いつまでも見ていたいと思う。


保護した直後のチビ3号




2017/12/15

ツマグロヒョウモン ~3頭のツマさんたち(羽化不全と保護したこ)11~ スミレが消えた…

12月15日
曇っており、とにかく寒い。部屋の温度も15℃前後。

ツマジロウさんは15日目、ツマサブロウさんとよっちゃんは産まれて14日目となった。

朝、ツマたちにごはんをあげた。
寒いので動きは鈍い。寝ぼけ眼のなか、3頭ははちみつ水を飲んでくれた。
ツマジロウさんは側面に貼りついたまま、動かすのもかわいそうなので、そのまま飲んでもらった。
ツマサブロウさんは翅がちょっとおかしくなってしまっていたが、綿棒を近づけるとすぐに乗り移り、翅をゆらゆら動かしてご機嫌そうに飲んでいた。
よっちゃんもゆっくり丁寧に飲んでいた。あまりにながいので、よっちゃんがつかまっている綿棒をそっと小皿に移し、そのまま飲んでもらった。だいぶ長い時間吸っていたようだ。満足すると、口吻をまとめ、場所を移動する。

今日は日が照らないため、このまま、お風呂場で休んでもらうこととした。


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今日は、とてもショックなことがあった。

午前中、出かけるために久々に川沿いを歩くと、なんとスミレが一本も無いのだ。
道路の補正工事があるとは聞いていて、嫌な予感がしていたが、補正するのは車が走る方で、歩道側にあるスミレは邪魔ではないだろうと思っており、
まさか!という感じだった。
思わず「どういうこと?」と声を出してしまった。

歩いても歩いてもスミレがない。スミレどころか、すべての草が抜かれている・・・。
落ち葉もない。なんてことだ。
まだわずかに茂っているスミレをたよりに、落ち葉の中で越冬幼虫が眠っているはずだった。
その子たちもきっと一掃されてしまった・・・。

悲しくて、泣きたくなった。
しかしこらえながら、川沿いを歩き、まだ幼虫がいないか、探した。
けれども姿はなかった。

{ニンゲンは残酷だ。

ニンゲンなんてそこらへんにうじゃうじゃいるのに、町で見る蝶たちは、
いつも、ほんの数頭ではないか。
それなのに、ニンゲンの都合で、かれらのわずかな食草まで奪って、
なんて身勝手なんだ。なんて残酷なんだ。
もうこの町で、あの美しいオレンジ色の蝶が見れないかもしれない・・・}

自然にまかせようと、川沿いで見かけた小さな幼虫たちはそのままにしていた。
だけど、ヒトの深くかかわる場所で「自然に任せる」という言葉は無意味だと思った。
おそらく、大体のヒトは彼らを知ることもなく、無関心で、守ろうとなんて考えもつかないだろう。
今回だって、仕事に従事している人々はただ指示された事(=草取り)を淡々とこなしているだけなのだから、悪気とかそういうものもないだろう。

だけどツマグロヒョウモンは、人知れずこの場所で、確かに命をつなぎ生きてきた。
スミレがたくさん茂る、この道で・・・。
そして、来年の春にはまた大空を颯爽と羽ばたくツマグロヒョウモンの姿が、
次世代を残すはずあろう命があったはずだ。

それが、無残にゴミとして捨てられてしまった・・・。


ああ、あの時、見かけた幼虫たちを、躊躇なく、保護できていたら・・・。
「自然に任せる」なんて言い訳せずに・・・。


私は心底、落ち込み、なんだかことさら嫌になってきた。
それでも今日は大変なヒト混みのなかに行かねばならない。
悲しみと後悔と怒りと、波のように押し寄せる感情を抱きながら、目的地へ向かった。
混とんとしていた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


午後4時、私は再び川沿いを歩いてみた。
もしかしたら越冬幼虫が残っているかもしれないと、一筋の希望を抱きながら。


そのこは、なにもない壁面にくっついていた。
1.5cmくらいの小さな幼虫。

{よかった・・・!}

私はそのこをそっとティッシュにとって保護した。
越冬させるために、枯葉と、まだ別の場所に残っていたスミレの葉を少し摘んだ。

彼らは冬は仮死状態で過ごすらしい。そして暖かい日に出てきて、スミレを食べつなぐようだ。
スミレの数が激減したので、今日摘んだスミレの葉を一枚だけ、枯葉とともに入れておいた。

小さい幼虫は、死んだふりなのか眠っているのか、くるんと身を縮めていた。
その愛らしい姿に、涙が出そうになった。

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帰宅後、ツマたちにご飯をあげた。
ツマジロウさんはまだ同じ場所にひっついていて、はちみつ綿棒を近づけても、口吻を出したり引っ込めたり・・・。あまり乗り気でないのであきらめた。
ツマサブロウさんとよっちゃんは普通に飲んでくれた。

彼らに食事をあたえながら、君らの仲間がひどい目にあってしまった、ごめんよ・と声をかけた。


全ての命を救うことはできないし、現実的ではない。
でも何かできたことがあったかも・・・と考えている。
悲しい気持ちは、ずっと胸に鎮座している。


ニンゲンが右往左往する土地である限り、「自然に任せる」ことはあり得ないのだと痛感した。
そして、自分も含めニンゲンがそこに住んでいるということは、元の自然は切り崩され、コンクリートで埋められ、植物は理路整然と植えられ手入れされ、
誰かの住処を剥奪し、命を奪ったということではないか。

ニンゲンも自然の一部であるはずなのに、やることなすこと自然から逸脱してきてしまっているのではないかということは、
常日頃、感じているのである・・・。

ニンゲンこそ「不自然」そのものかもしれない。



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そういえば、昨日、二子座流星群が見れるというので、何気なく空を見上げた。
その時、ひときわ光る星が流れていくのが一瞬見えた。

もしかしたら、この星が、この小さな越冬幼虫と合わせてくれたのかもしれない。
そんな気がした。






2017/12/14

ツマグロヒョウモン ~3頭のツマさんたち(羽化不全と保護したこ)10~ ツマサブロウさんの翅

12月13日
穏やかに晴れているが風が寒い。

ツマジロウさんは産まれて二週目に入った。
ツマサブロウさんとよっちゃんは誕生日が一緒なので生まれてから13日目だ。
みな、ちょっとづつ、歳を重ねてきている。

蜜を吸うよっちゃん。


よっちゃんには昨日から、日光浴用(日中用)に特大のネットを用意して、
そこにいてもらっている。
一昨日、よっちゃんの飛ぶ姿をお風呂場で初めて見て、少しでも広いほうが、翅を動かせるのではないかと。
通常は直径25センチ、高さ33センチくらいの筒状の洗濯ネットを加工したものだけど、
日光浴用は直径35センチ、高さ54センチくらいの特大な洗濯ネットである。

しかし今日は風が強いので、しばらく外で日光浴させていたが、部屋にとりこんだ。
部屋も気温は16度。よっちゃんはまた静かになった。

同じく、30分くらい日光浴してもらっていた、ツマジロウさんとツマサブロウさん。
ケースの中はすぐにあたたまるので、私としてはあまり長く日光浴しておきたくない。
というのは、温度が上がると彼らは飛躍的に動くようになる。あまり彼らを活動させてしまうと、翅を痛めたり、体力を消耗させてしまうので、彼らの寿命を縮めてしまうと、私はそこを気にしている。だが、家人はちょっと違っていて、思う存分日光浴させて動いてもらっておなかがすいたら蜜をたっぷり吸う・・それが本来の姿ではないのか、と。
まぁ、日ごろは私がお世話しているので、彼らとなるべく一緒にいたいというのが本音、適度に日光浴してもらいあとはたっぷり蜜を飲んでもらい、休んでもらうことにしている。

ジロウさんは吸引力が衰えてきたのか、だいぶゆっくりと蜜を飲んでいた。10分くらいだろうか。

蜜を吸うツマサブロウさん。片方からみると普通の状態に見えます。


サブロウさんは、翅がみるみるボロボロになっていた。そして右側の後翅が前翅の前にきてしまっていた・・・。本人はあまり気にしていないようだが、ちょっと動かしにくそうだった。直そうと試みたが、だめだった。
さっさと蜜を飲んで、動き回り、口吻をくるっとまとめてしまった。

早食い(吸い?)のツマサブロウさん。

気楽に手に乗ってくれます。活動的です。



彼らのために摘んでくるコスモスもいよいよシーズンが終わりとなり、花も小さく、すぐに枯れてしまう。
ヒメジョオンもなかなか見つけることができない。
かといって市販の花はなんとなく不安なのだ・・・。
買い物のついでに念入りに探してみよう。ウォーキングする良い機会にもなる。



光に集まるツマたち。こういうところは猫も似ています。
日光浴中、時々、ツマサブロウさんにふんづけられたり、
脚ではたかれているツマジロウさんがちょっと心配です…


2017/12/12

ツマグロヒョウモン ~3頭のツマさんたち(羽化不全と保護したこ)9~ よっちゃん飛ぶ

12月12日
ツマコさんを埋葬してから、ツマジロウさん、ツマサブロウさん、そしてよっちゃんにごはんをあげた。

日中結構動き回ったので、ケースのツマたちはどんどん蜜を飲んでくれた。
が、ツマジロウさんが指に捉まろうとしたとき、腕力が弱まっているような気がした。
ツマジロウさんは今日で12日目だ。大事に大事にしなければならない。


蜜を飲むツマジロウさん

こちらはツマサブロウさん


ツマたちは翅も欠け始めてきた。

よっちゃんもはちみつ綿棒に反応し、くっついてきたので、ネットから出してみた。
すると、吸蜜するのをやめ、小刻みに翅をぶるぶると動かし始めた。
おやおや、体を温めている。もしや?と思った瞬間・・・

よっちゃんが、ふわぁ~~と飛んだ。

場所が狭いお風呂場でよかった。
部屋に舞い込んでしまったらアウトなので、急いで扉を閉めた。

ツマグロヒョウモンの魅力である力強い飛翔ではなかったが、ふわりふわりと飛んで、
お風呂場の壁にとまった。
急いで、タッパを彼にかぶせて、ゆっくりおろし、
よっちゃんがタッパの内側に来たところで、手で蓋をし、ネットに戻した。

ああ、肝を冷やした。
弱弱しい飛び方なので、お風呂場の隙間に落ちたらどうしようと、冷や汗をかいた。

少し飛べて、よっちゃんはどうだっただろう?

その後は蜜を吸うこともなく、ネットで翅をたたんで静かになってしまった。


よっちゃんはボディがしっかりしている。
ただ口吻がうまくしまえないので、やはり弱っている蝶なのだろうと思う・・・。


もしも春や夏場に生まれていたら、力強く飛び回って、きっとモテタ?だろうななどと思ってしまう。
口吻はくるっとしっかりしまおうね、と・・・。


よっちゃんは蜜を飲むとき優雅に翅を広げます。
少し欠けてしまいました…

移動しながら、蜜を飲むツマジロウさん。↓



こちらはごくごく蜜を飲むツマサブロウさん。↓

ツマグロヒョウモン ~4頭のツマさんたち(羽化不全と保護したこ)8~ さようならツマコさん

12月12日
日の光はゆるやかで、そして乾燥している。冬の晴天。

ツマコさんは13日間、頑張って生きた。

西日が眩しいなか、家人と埋葬した。

同時に、蛹化で失敗してしまったチビ2号も埋めてあげた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ツマコさんを見ていて気付いたことがある。
ツマコさんは、ほかのツマたちと少し顔が違う。

口吻を挟むようにあるものが「下唇鬚(かしんしゅ)」または「パルピ」と呼ばれるもので、においを感じたり、複眼や口吻の掃除に利用されているものらしい。
うちのツマたちも時々、このパルピ(かしんしゅは言いにくいのでこの呼び名で)を左右に動かしている。ワイパーのようでなんとも面白い。
アゲハやモンシロチョウなどはこれが目立たないので顔立ちが丸いのだが、
シジミチョウやツマグロヒョウモンなどのタテハチョウ科の蝶は結構目立つようだ。
見続けていると、なかなかチャーミングな顔である。


こちらはオスのツマジロウさん。
パルピがツンとしています。

パルピが少しカールしています。メスのツマコさん。

ツマジロウさんとツマコさんを見比べてみても、ツマコさんのパルピがくるんとカールしている。メスだなぁというような丸みにも見える。
しかし、メスがみなこうなのかはわからない。もしかするとツマコさんだけの特徴かもしれない。なぜなら同じくうちで羽化して飛び立っていったツマミさんもツマジロウさんのようにツンとしたパルピだったので・・・。

また毛色もツマコさんのほうが濃い茶色だった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


13日・・・蛹のころからだと約1カ月一緒だったので、彼女がどんなに頑張って生きてきたかが、痛いほどわかる。

ほんとうは、
大空を飛びたかっただろう。
素敵な相手と恋をして、子孫をのこしたかっただろう・・・。


うちのはちみつ水はおいしかっただろうか?
聞いてみたい。


時々、ツマコさんに寄り添う空想をしながら眠りについていた。
そしてツマコさんの柔らかい背中に乗って、空を飛んだつもりになった。


ありがとう、ツマコさん🌼











2017/12/11

ツマグロヒョウモン ~4頭のツマさんたち(羽化不全と保護したこ)7~ ツマコさん

12月11日
穏やかに晴れて、気温もあたたかい。

ツマコさんは13日目となったが、昨日から元気がなく、弱っているようだった。
今日も朝、かすかに翅を動かしたが、その後は蜜を飲むのも難しかった。

ティッシュをひいた紙箱の中で、棒状に巻いたキッチンペーパーにもたれかかっていたツマコさんだったが、もう、手をかける元気もなく、翅を閉じる力も無いようだった。

ツマグロヒョウモンはタテハチョウ科の蝶だが、彼らは一見脚が四本に見える。
それは前脚が退化してしまっているからだ。胸にくっつけているような状態である。

今日、ツマコさんはその短い前脚をかすかに動かした。
でもそれっきりだった。

日向ぼっこ中、ツマコさんのベットの中に、ツマジロウさんがいた。
なんとなく寄り添っているように見えた。




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とても悲しいが、蝶の一生は、本当に短い。
そしてヒトの人生の、なんと長いことだろう・・・。


ツマコさんは産まれてから決してベストな状態ではなかった。
蛹に捉まれずに落ちてしまい、翅は折れ曲がってしまったし、片方の脚はマヒしてしまっているようだった。
それでも、日差しを浴びていた時は、今から大空に飛び立つような羽ばたきを見せた。



ツマコさん、ありがとう。もうあなたは自由だよ。
これからはその美しい翅で、宇宙だって羽ばたけるだろう。













冬の猫には湯たんぽが欠かせない。

我が愛猫わさびはちょっと体が弱い。
今年10歳になったが、体重は2.6キロ、とても小柄だ。





我が家の冬は寒い。
エアコンは乾燥しすぎて使いにくく、ほぼ電気ストーブだけなので、日中でも室温は18度くらいだ。
蝶やカタツムリたちには活動が抑えられて程よいかと思うが、
猫たちにはちょっと寒いだろうと思い、朝晩と彼女たちの好きな箇所に湯たんぽを置いておくのが常だった。

が、今日は大事な用事と、ツマたちに2度ご飯を上げることで頭がいっぱいで、湯たんぽを置き忘れてしまった。

不在の時間、6時間あまり。20時に帰宅すると、猫のはいた跡が、あちこちに・・・。
わさびである。
彼女は空腹時間が長いと時々胃液を吐いてしまう。毛玉もはく。
そして私の部屋には茶色いものが・・・。よく見るとそれは柔らかいウンチだった。
トイレにも排泄があり、トイレの外にも粗相してしまっている。
これは大変だ!わさびをさがすと、

「おろろ~ん」

という悲しい声が・・・。はいた後によくする切ない鳴き声が聞こえた。
わさびは押し入れに縮こまっていた。呼ぶとか細く鳴く。
これは大変だと思った。まるで生きた心地がしなかった。

家人と、もしかしたら寒くて下痢をしてしまったのではないかと話した。
冷静な家人はしばらく様子を見ようと言うが、私はたちまち調子が悪くなってしまった。

わさびがこもっているスペースにゆたぽん(カイロ)を布に包んで入れてあげたら、
そこにすがりつくように休んでいた。
もう一か所にも彼女の好きな湯たんぽを入れてあげると、くるりと向きを変え、
その湯たんぽに身をゆだねていた。

やっぱり寒かったのだろうか・・・。
なんで寒さ対策をしていかなかったのだろうと、心底、猛省した。

あれだけ吐いて、下痢もしてしまったのだから、脱水はないかしらと気になった。
そこであの、猫はみんな喰らいつく「チ○ール」を鼻先に近づけると、わさびの目の色が変わった。
(この商品について、かかりつけの先生曰く、ほとんど水分だとのこと。あげすぎはお腹をゆるくするのでよくないとのこと。)

ひっこんでいた押し入れから出ると、目を輝かせている。
よかった・・・。そんなに重症ではなかった。
ひとなめ、ふたなめ、特別に普段よりもっとなめさせてあげた。

その後おしりを気にしていたが、階段の手すりにひょいっと登り、お気に入りの場所におさまった。そこにはもちろん、湯たんぽを二個しこんでおいた。

わさびは毛玉や胃液をよく吐くのだが、そのたびに、{ああ、やってしまった}というシュンとした顔をして、ばつが悪そうに小さくなってしまう。
今回はよほどショックだったのだろう・・・。そして、お腹も少し痛かったのかもしれない。
ニンゲンだって、寒くて下るときはお腹が痛いし、ナイーブになる。

わさび、気にしなくってよいんだよ、と声をかけた。
失敗は、だれでもするさ。
それよりも、部屋が寒いのに、湯たんぽ用意できてなくて、ほんとうにごめんなさい。。

2017/12/10

ツマグロヒョウモン ~4頭のツマさんたち(羽化不全と保護したこ)6~

12月10日
清々しい晴れ。だが気温は冬。
朝、ツマたちをベランダにだして日光浴させた。
30分ほど経って、はちみつ水をあげた。
皆、順番に飲んでくれた。

ツマコさんは昨日、ベットの上に排泄をしていてほっとした。
ツマジロウさんやツマサブロウさんは排泄してるだろうか?
ケース内にひいてあるキッチンペーパーに薄いピンクがついているので、おそらく排泄していると思うが。
産まれてまもない頃より、排泄物(おしっこ)の色がだいぶ薄くなったように思う。

よっちゃんもはちみつ水を飲んだ。

その後、またツマたちを日光浴をさせた。
午後は用事があるので、早いうちに食事としてもらった。

運動後なのでよく飲むかと思いきや、ツマコさんはいつも通り口吻にあてて飲ませ、ツマジロウさんは長い時間吸いついていたが、
ツマサブロウさんはあまり乗り気でなく、口吻はしまったまま、綿棒をつたって手にのぼっきてしまい、その繰り返しとなったのであきらめた。
よっちゃんも動き回るばかりで密に集中しないのであきらめた。

それにしても、ツマサブロウさんとの出会いは偶然にしては奇妙だった。
12月2日、地上で産まれたてのよっちゃんのそばで、"どうぞわたしをつれてって…"というような表情で、しっかり枯れ葉にしがみついていた。
あのとき、あの場所に足を運び、出会えてよかったと思う(自分は)。

ツマサブロウさんはいつも気軽に指に乗ってくれて、指の上で優雅に翅を動かすひとなつこいこである。


日光浴をするツマサブロウさん

2017/12/09

ツマグロヒョウモン 〜4頭のツマさんたち(羽化不全と保護したこ)5〜

12月9日
気温は低いが穏やかな晴れ。

ツマコさんは11日目に入った。
ツマジロウさん、9日目。ツマサブロウさんは8日目。
よっちゃんはうちに来て6日目だ。

みな好きなところで休んでいます。

ちょっと寝坊をしてしまった。起きて早々、ツマたちの部屋を覆っている布をとり、
窓からやってくる日差しで少し慣らしてから、ベランダの日の当たる場所に置いた。

よっちゃんは洗濯ネットとハンガーをばらし作成した「特製ネット」の中にいるが、
風通しがよいので外は少し寒いと思い、部屋の中で日の当たる場所にネットを吊り下げた。
みるみる翅を広げ日を浴びるよっちゃん。
しかし、体温が上がりすぎてしまったか、ネットのなかでけっこう激しく羽ばたいた。
そのせいか、あとでよっちゃんをみると、翅が欠けてしまっていた・・・。
ショックだった。
外にネットを吊るしておく分には、温度が上がりすぎることもなく、そんなにはバタつかず、羽ばたかない。
明日は気を付けよう・・・。


一方、日光浴中のツマコさんたちをみると、こちらも翅を広げて、日の光を一身に浴びている。
ツマコさんはその翅をこきざみになんども羽ばたかせていた。
やはり、飛びたいのだろう・・・。
ツマジロウさんもツマサブロウさんもその不完全な翅をはためかせている。
切なくなってしまった。


ツマコさんの力強いはばたき。↓



日光を30分くらい浴びたあと、食事にした。
ツマコさんもツマジロウさんもツマサブロウさんも順番に蜜を吸ってくれた。
しかし、おしっこをした様子はない。大丈夫だろうか。

よっちゃんもすんなりとはちみつ水を飲んでくれた。
やはり運動後はおなかが減るのだろう。

何日か彼らの様子を見ていて、蝶には日の光と温度がキーなのだと思った。
専門家ではないので詳しくはわからないが、日光があたっていても、気温が10℃前後だと動きは非常に鈍いように思う。
だから、ルリタテハやキチョウなど成虫で越冬する蝶は別として、冬にうっかり羽化した蝶は、晴れていても動けずに餓死してしまうか、捕食されてしまい、姿を消してしまうのだろう。

ツマコさんたちのケースは風通しが悪いので、長い時間日光に当てていると、春の陽気のごとく温度が上がってしまうので、運動量が増してしまい、これは彼らを消耗させてしまいそうだ。
ただ、長生きさせるためだけに低温のなか暗がりにずっと押し込めておくということも考えられず・・・彼らを注視して気を付けようと思う。


さて、ツマグロヒョウモンにもテリトリー行動があるらしい。
ツマジロウさんとツマサブロウさんは、ツマコさん特製紙ベットの側面に二頭で張り付いていた時に、お互いの手をバシバシとしていた。
結局、バランスの悪いツマジロウさんが落ちてしまった・・・。
先日のコスモスの取り合いの時もそうだった。
これもテリトリー行動の一種なのだろうか?

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午後7時ごろ、出かけていてちょっと遅くなってしまったが、帰宅後すぐにツマたちの食事とした。
皆、お腹がすいていたのか、すんなりと吸蜜していた(このときに家人にもニンゲンの食事をせかされたが待たせておいた)。
ツマジロウさんはコスモスが気に入ったのか、コスモスにぶら下がっていたので、
そのまま蜜を上げ、楽だった。
花びらに蜜の水滴をつけると、それをなめるようにして飲んでいたのがかわいかった。


コスモスがおきにいらしい?ツマジロウさん。

花びらについたはちみつ水を上手に吸ってます。


ベットメイキングのため一時外に出していたツマコさんは、腕力が弱いのだが、私の指にしがみついてもらって、ベットに移動させた。なかなかスムーズにいった。
ツマたちにとって人の指はつかまりやすいようだ。
ツマサブロウさんもよく指に乗ってくれる。


念入りに蜜を吸う、ツマサブロウさん。
二つの翅がそろっているので、バランスはよいようです。↓



今夜も自由な夢の世界で、ツマコさんたちが天高く大空を舞えますように・・・。
夢の中でなら、星の海も羽ばたけるだろう。


2017/12/08

ツマグロヒョウモン 〜4頭のツマさんたち(羽化不全と保護したこ)4〜

12月8日
曇り空でとても寒い。

川沿いの蛹は残り二個となっていたが、そのうちの一個は蛹のまま死んでしまったようだ。チャームポイントの金色がくすんだ色になってしまっていた。
もう一個はまだキラキラとしていたが、連日の寒さで羽化できるだろうか…。
羽化できたとしても、またツマサブロウさんのように羽化不全という可能性もあるので、
暖かい日などは、できるだけ気にしてあげている。


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ツマコさんは産まれてから10日目、ツマジロウさん8日目、
ツマサブロウさんはうちに来て7日目、よっちゃんは4日目となった。


ちゅるちゅると口吻を動かすツマサブロウさん。↓


四頭は朝、すんなりはちみつ水を飲んでくれたのでほっとした。
よっちゃんもなんとなく機嫌がよさそうだ。
その美しい翅をみせびらかすように広げて、コスモスの上にとまっている。

今日は日差しがないので、ツマたちには運動なしの「休息日」にしてもらった。
夏の日でも、どんよりとした雨の降りそうな曇りの日は、飛んでいる蝶は少ない。
やはり太陽はかれらにとってとても大事なのだろう。


午後、用事を済ませて、帰宅。ツマたちの様子を見ると、よっちゃんは日も当たっていないのに、翅を広げてコスモスにとまっていた。
いつみても美しい・・・。そしてツマグロヒョウモンはなかなか毛深く、ふわふわしている。我が家のサビ猫の毛並みのようだ。

夕方の食事はツマサブロウさん以外、みな飲んでくれた。
蝶は満足すると口吻を丸めるのでわかりやすい。
が、ツマコさんは口吻がでっぱなしなので、口吻の先にはちみつ綿棒をあてがってあげるのだが、わかりづらい部分がある。
はたして飲んでくれているだろうか、、、飲んでくれているとよいが。。
そういえばおしっこもしていなかったようだ。
少し心配だ。

翅を広げるのがすきなツマサブロウさん。

コスモスの上のよっちゃん。ほんのりピンクが奇麗です。

なかなかふさふさしています。

2017/12/07

ツマグロヒョウモン 〜4頭のツマさんたち(羽化不全と保護したこ)3〜

12月7日
今日も穏やかに日がさす。しかし気温は冬の気温。

ツマコさんは産まれてから9日目となった。
ツマコさんは翅が折れ曲がっており、バランスがとりにくいようで、地べたを這いつくばる感じになってしまう。

はちみつ水を飲むツマコさん。


そこで紙で作った箱にティッシュを引いたツマコさん専用ベットで過ごしてもらう。
キッチンペーパーを丸めたものに手をかけて、なんとか安定するようだ。

朝、ツマコさん、ツマジロウさん、ツマサブロウさんにはちみつ水をあげた。順番に飲んでくれた。
その後は日が射す場所にツマたちを置いて日光浴させた。

翅を広げるツマサブロウさんとツマジロウさん(右)。
蝶の光に対する反応…といってしまえばそれまでだけど、
彼らの様子はやわらかい日差しの中、とても気持ちよさそうにみえます。

ツマコさんも特製ベットで、翅を広げています。

よっちゃんは逆に日にあててから、食事とした。
日射しを浴びて広げる翅は、いつ見ても美しい。
ただこのこは産まれてから飛ぶ力が乏しい。
夏の日など、花から花へと俊敏に飛ぶツマグロヒョウモンを、カメラのシャッターにおさえるのに一苦労していたのが嘘みたいである。

よっちゃんはしばらく日光浴したあと、はちみつ水を飲んでくれた。

コスモスにつかまったまま、食事をとるツマジロウさん。
ちょっと外の雰囲気を味わえているだろうか…。

彼らの食事のお世話にはざっと30分かかる。
気分か体調か、その時に飲んでくれないこもいるので、1日2回、朝と夕もしくは夜、食事にするようにしている。
日を浴びて、ケースのなかが温かくなったためか、ツマジロウさんとツマサブロウさんは競うように(時にはお互い踏みつけあって……)動き回っている。
それを猫のわさびが、同じく日光浴をしながら、興味深そうに見つめていた。





口吻をちゅるちゅる動かすツマジロウさん。↓
花びらの間についたはちみつ水の水滴を飲んでいたようでした。



はちみつ水をゆっくり味わうツマサブロウさん。口吻は吸収管ともいうそうです。
ストローのように穴が開いているわけではなく、
スポンジで吸い取るようなイメージだそうで…。
なるほど、時々、表面をなめるようなしぐさもみせます。




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午後、大学の授業を受け、急ぎ足で家に帰った。18時半。
帰ってうがい手洗いをしたあと、早々にツマたちにはちみつ水を用意した。
ツマコさん、ツマジロウさんはねぼけまなこで飲んでくれたものの、ツマサブロウさんは綿棒で脚をつついても、口吻を出すことはなかった。
天井に貼り付いていたよっちゃんは、すんなり口吻を延ばしてきて、はちみつ水を飲んでくれた。

その後、私の部屋に彼らを移動し、いつものように布をかけて就寝とした。


ツマジロウさんはキッチンペーパーを丸い棒状にしたものに両手をかけて眠っている・・・。その姿がなんともかわいかった。


蝶たちはどんな夢をみているのだろう。。。


コスモスを取り合うツマサブロウさんとツマジロウさん。
このあと、ツマジロウさんが下に落ちてしまいました。

ツマサブロウ={おまえの翅はかたっぽちぢれてるぞ}
ツマジロウ={おまえこそ、翅がくねくねまがりくねっているぞ}

とか言いあっているのでしょうか…。でもけんかとかはしません。
仲良くしてね。。↓


2017/12/06

ツマグロヒョウモン ~4頭のツマさんたち(羽化不全と保護したこ)2~

12月6日
穏やかな晴れの日。だが気温は低い。

我が家の冬は毎度電気ストーブのみで過ごす。なので気温が低く、18℃前後である。
ここに住むニンゲンは着こまないと寒いが、
蝶は温度が高いと活性化されるとのことで、蝶(やカタツムリ)にとっては調度よい温度かもしれない。
ちなみに猫たちには毎回ストーブ前を占拠される。また、猫たちのお気に入りの場所に朝晩と湯たんぽを用意している。


ツマコさんは8日目。
ツマジロウさん、6日目。
ツマサブロウさんは5日目となった。
別ネットで過ごすよっちゃんは我が家に来て3日目である。

朝、はちみつ水をあげた。
ツマコさんとツマジロウさんはすんなり飲んでいたが、ツマサブロウさんとよっちゃんがなかなか飲まない。無理強いはいけないというので、次の機会とした。

午前中のやわらかい日差しの中でまた日光浴。
日を浴びてツマたちはゆっくり翅を広げたり、歩き回ったりしている。
ただ、気温が低いので派手に動くということはない。

2時間後くらいに彼らを屋内にしまい、まずはよっちゃんにはちみつ水をあげてみたら、今度は口吻を延ばして吸ってくれているようだった。
しかしツマサブロウさんはまだいらないらしく、口吻を丸めたまま・・・。
ちょっと心配だ。

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かれらはいつのまにか排泄(赤い液体)をしているので、敷いていたキッチンペーパーがだいぶ汚れていた。
下に敷いているものだけ交換し、さっぱりさせた。

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2017/12/05

ツマグロヒョウモン ~4頭のツマさんたち(羽化不全と保護したこ)1~

12月5日
天気予報では東京は15℃くらいまであがるという、暖かい日。
しかし明日からは真冬の気温だという。


自分としては珍しく更新を重ねているが、これはかれらの大切な「命の記録」になると思ってやっている。


朝、ツマたちにはちみつ水をあげた。
はちみつ水の作り方はネットでたくさん調べた。ポカリスエットという記事も多くあったが、できれば自然に近いものが良いと思い、自分ははちみつ水にした。蜂蜜は以前から愛用しているカナダ産のおいしい蜂蜜で、価格もそれなりにする(家人はさらに国産にこだわれというが…)。
大さじスプーンのさきっちょに、はちみつをワンプッシュほどのせて、熱湯を大さじスプーンすれすれまで入れ、よく溶かす。そのあと、また大さじスプーン一杯の水を足して完成させる。
指でひとなめして、甘いかな??という程度にうすーく作る。

はちみつ綿棒をかかえて蜜を吸うツマジロウさんと、
そばで翅を広げるツマサブロウさん(右)。
ツマサブロウさんは翅が湾曲しているのでなかなかとじれない様子。

ツマコさんは今日で7日目。元気にすごしています。

ツマコさん、ツマジロウさん、ツマサブロウさんはすぐに飲んでくれたようだけど、
よっちゃんは動き回ってなかなか興味を示さない。
よくみるとよっちゃんは口吻がくるっとまとまっていない。やはり弱ったツマグロヒョウモンは口吻がしまいにくいのか・・・。
よっちゃんはおしっこを派手にして、ネットの側面を赤く汚してしまったがしかたない。


今日は天気が良く暖かいというので10時ごろから2時間ほど日向ぼっこ。

ツマたちは日の光を浴びてふわふわと翅を動かし始める。
いちばん重症だと思われたツマコさんもおり曲がった重そうな翅を動かし、
自ら、小皿に浸してあるはちみつ水を飲みにいった!
嬉しかった。

くるくる巻いた翅を広げて日光浴するツマコさん。

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ケースには少しでも自然を感じてほしいと思い、買い物ついでに摘んできた小さな花も入れてある(市販の切り花は消毒剤とかかかっているのではないかとちょっと不安で…)。

お弁当用のソース入れに水を入れ、そこに花を3輪くらいさして日持ちするようにした。

ヒメジョオンとツマジロウさん。

ヒメジョオンはシジミチョウが良く好んでとまっている華奢な花で、まだ路上の片隅にひっそりと咲いていた。子供のころはなぜかこの植物を貧乏草とか読んでいた。失礼な話だ。繊細で美しい花なのに・・・。
同じく入れておいたキバナコスモスをツマジロウさんが休息場につかってくれた。
キバナコスモスは一見、線の細い花のように見えるが、非常に茎が固い。紙細工のように軽い蝶にはとても安定感があるだろう。秋口にはこの花に様々な蝶たちが我先にと吸蜜している姿があった。

そのコスモスも来年には姿を消してしまうかもしれない・・・。古い建物を一斉に立て直す工事が街で始まるからだ。
春夏秋冬と近所を観察してきて感じたことは、手つかずの庭や植え込みのほうが蝶やバッタ、カマキリやトカゲなど、様々な生物に適しているということだ。人間の手で理路整然と作られた庭や植え込みに、彼らのかわいい姿はなかなか見られない。
だが人のやることはいつも容赦ない。彼らの土は掘り起こされ、木々は倒され、彼らの大切な住処を奪うことだろう。羽化を待つ蛹も根こそぎ刈り取られてしまうかもしれない。
せめて、ツマグロヒョウモンの生地であるあの「スミレライン」は無事でありますように。
そう思うと、悲しい想いが胸に深々と満ちてくる。

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午後2時にふたたび西の日の光で日向ぼっこ。

ゆっくりと日光浴するツマジロウさん。

部屋のなかでツマたちを日光浴させていたので、猫たちに見つかってしまった。
時間の問題ではあった。
しばらく凝視する2匹・・・。
でも捕まえられないことがわかると、ほどなくして飽きてしまい去ってしまった。

猫たちにとってはおそらく、産まれて初めて見る蝶であった。