Kyon {Silence Of Monochrome}

Kyon {Silence Of Monochrome}
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2018/01/31

ツマグロヒョウモン~保護したツマさんたち(よっちゃんと幼虫5号)29~ よっちゃんは2カ月目、チビ5号が前蛹になりました 

1月31日

今日は久々に暖かい。しかし明日から天気が崩れるという。

よっちゃんは産まれて2カ月目となった。

朝よっちゃんのいるネットをみると、よっちゃんは口吻を延ばし切ったまま、休んでいた。
よっちゃんは口吻がなかなかくるっと収まらず、よく動かすのだが、
ネットの小さな穴にその口吻が入ってしまい、そのままの状態で眠ってしまったようだ。
ちょっとネットを動かすと、思い出したようにひゅるひゅるっと口吻を巻いた。

よっちゃんは今日も日光浴して羽ばたいたときに、翅の一部が欠けてしまい、右の上翅はもっと小さくなってしまった。
でもおかまいなしに元気に羽ばたく。
朝ごはんも、お腹が減ってたんだというようにすいすい吸っていた。

日の光をバックに見るよっちゃんの姿に、毎日癒されている。
翅はボロボロになってきたが、後翅の白い部分が、翅を動かすたびにキラキラと輝き、
まだまだ美しい。

外では厳しい寒さのため蝶はもちろん、虫一匹見ないが、
我が家には美しい蝶がいてくれると思うと、なんだか幸せな気分になる。
しかし、よっちゃんとしては、どうだろうか…。


幼虫は昨日、ひたすらケースの中を動き回っていた。
最初は下の方ばかり動き回っていたが、やっと天井に安心の場所を見つけたのだろう。
夕方ごろから動かなくなり、今朝見たら、前蛹になっていた。
幼虫はここからがまず第一関門。
蛹化するときには古い毛皮?を脱ぐために、激しいう動きを見せる。
そのときに失敗するこもいる。
どうか無事に蛹になって!

2018/01/29

ツマグロヒョウモン~保護したツマさんたち(よっちゃんと幼虫5号)28~ 

1月29日
今日は晴れたり曇ったり曇ったり。気温は10度と高めの方。
町を歩くとまだ所々に雪が残っている。
そして2月1日ごろにまた雪が降るかもという予報・・・。

よっちゃんは59日目となった。
パルピが取れて丸顔になり、翅もだいぶ欠けてしまったが、元気に過ごしている。
太陽の日を浴びると、気持ちよさそうに翅を広げて、パタパタと動かし、
身体が温まってくるとぶるぶると小刻みに体を震わせ、ほどなくして羽ばたく。
しかし、右の上翅がずいぶん短くなってしまったので飛ぶにはバランスが悪いようだ。

やはり夕方は活動も抑制されるらしく、ハチミツ綿棒をあげると、口吻を延ばし吸っているようだが、そのままぼーっと止まってしまう。
私の指を近づけると、足を延ばしてくるので、そのまま指に乗ってもらい、ネットの壁面につかまらせ、眠ってもらう。
蝶が指に乗ると、その軽さに驚く。幼虫時代の方がまだ重量があると思う。

一方で幼虫はぐんぐんと成長し、食べる量も増え、フンも大きくなった。
今日は珍しくケースの中をあちこち動いていたので、もしかしたら蛹化が近いのかもしれない。
割りばしで成るか、蓋の裏で成るか・・・。
蓋には蛹化するとき安定が良いようにガーゼを貼っておいた。これで落ちる心配はまずないと思う。

今ごろ蛹化したらいつ頃羽化するだろうかと、楽しみになってくる。
桜の咲く時期ならなおよいと思う。
今は一番寒い時期なので、羽化にはだいぶ時間がかかるだろう。
その前にどうか無事に立派な蛹になってほしい。



2018/01/22

ツマグロヒョウモン~3頭のツマさんたち(羽化不全と保護したこ)27~ 幼虫はもりもり食べてます

1月22日
朝からしんしんと雪が降り、気が付つけば当たり一面雪景色。

部屋は一段と寒いのでエアコンをつけた。
あまりに寒いのはよくないというので、よっちゃんもエアコンの部屋に。
ついでにチビも。
よっちゃんはふわっと翅を広げるが、時折、口吻をちゅるちゅると動かすくらいで、
あまり活動しなかった。
一昨日、翅の部分がまたかけてしまい、上翅はまた小さくなってしまったが、本人はあまり気にしていないようだ。
まぁ、よっちゃんは12月下旬にパルピが取れてしまっていても元気である。


よっちゃんには朝、夕とハチミツ水をあげた。
天気の時と違ってぐんぐん吸う感じはしない。しばらく綿棒に口吻をくっつけてると、すぐにくるっと巻いてしまった。
こうした天気の悪い時は、外の蝶は葉の裏などでじっとしており、食事もとれないだろう。

一方でこのところ、幼虫の食欲が一段と増してきた。
一日スミレの葉を2-3枚は食べるようになった。が、冬場なのでスミレの葉は見つけるのが大変で、サイズも小さい。
とにかくもりもり食べるので、小さな葉を2枚セットにしてケースに入れておくなど、工夫をしている。
もう立派な終齢幼虫だ。あとは、いつ、蛹になるのだろうか。
今まで幼虫を見てきて、このチビはいつもよりサイズが少し大きいようなので、メスではないかと思っている。
(秋に羽化したメスの蝶もオスより一回り大きかった)


チビを見ながら、よっちゃんを見て、この黒いトゲトゲが、こういう蝶になるんだなぁ・・と思うと、やはり不思議で仕方がない。

2018/01/18

ツマグロヒョウモン~3頭のツマさんたち(羽化不全と保護したこ)26~ チビがきて一カ月 

1月18日
今日は気温が高かった。冬のコートでは汗ばむくらいだ。

よっちゃんは48日目となった。
日光にあたると、いつものように翅をふわっと広げ、呼吸するようにゆっくりと動かす。
蜜もよく飲んでくれた。

午後は早めに蜜をあげるようにした。
綿棒に口吻をあててすいすいと吸っている。

そういえば昨日の夕方、蜜を吸ったあと、綿棒にしがみついたままぼーっとしているよっちゃんを、いつものように自分の指に乗せて、ネットの壁面に移動させようとしたとき、
指に乗ったよっちゃんが口吻を指にこすりつけてきた。それが少しくすぐったかった。

今日は蜜を吸いながら、口吻で脇腹あたりを掻いていた(?)かゆかったのか?
しばらくそれを繰り返したあと、また蜜を吸い始めた。

毎日、違った顔を見せてくれる。


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一方、チビ幼虫はもうチビではなくなってきた。
12月17日に保護してから1カ月経ち、大きさは4~5倍となった。

外のスミレはいよいよ休眠状態に入ろうとしているのか、枯れ始めてきているし、
みずみずしい葉があったとしても、サイズは小さい。
それに反して、幼虫の食欲は増すばかり…。
1日、葉を2枚は食べるようになった。
あとどれくらいで蛹化だろう?
ちゃんと食べて育っても、蛹化に失敗するこもいる。原因はわからない。
蛹化、ここが第一関門だ。そして、羽化。これも大変な作業だ。

春、そして夏、秋に舞う蝶たちはとても軽やかで優雅だけれど、
ものすごい試練をくぐりぬけてきたこたちばかりなのだ。
春、私が最初に目にする蝶は、たぶん、特別な輝きを放っているだろう。

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無農薬で購入したニオイスミレは、一個の葉がすべて枯れてしまった。
休眠に入ったと思おう…。
他の二個のうち、一個は花のつぼみが膨らんできた。
この時期に開花か…。楽しみである。

ツマグロヒョウモンたちに、スミレやビオラを教えてもらい、
それらを育てる楽しみも増えた。


2018/01/17

ツマグロヒョウモン~3頭のツマさんたち(羽化不全と保護したこ)25~ 今日は薄曇り 

1月17日
今日は久々の雨模様。空は今にも泣きだしそうだ。

ツマサブロウさんも、夜中に旅立ってしまった。
その姿はまるで生きているようだった。
ツマジロウさんのように、魂だけ、ふうっと抜けていったようだった。

そこでふと思った。
蝶たちはなぜ、夜中に旅立つのだろう。
羽化不全で生まれたこたちは、皆、じたばたすることなく、
夜、静かにその生涯を終えていった。

部屋に不釣り合いな大きなケースは誰もいなくなってしまった。
ケースをよく見ると、彼らの生きた跡があった。
キラキラと光る鱗粉がケースのあちこちに付き、小さな翅の片鱗が残されていた。

もうしばらく、このケースを使うことはないだろう・・・


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よっちゃんは47日目となった。
今日は曇りなので、よっちゃんにとってはしばしお休みの日となる。
成虫はあまり寒い部屋に置いてはいけないと聞いたことがあったので、
久々にエアコンをつけた。
すこし部屋が温まったところで、よっちゃんは翅を広げたが、動き回る様子はない。
朝ごはんは食べていた。

ビオラの花を少し摘んで、よっちゃんに近づけると、よっちゃんは前脚を延ばしてきた。
そしてビオラにつかまらせてみると、よっちゃんも口吻を延ばしてフムフム花びらをつついていた。
やはり蝶たちにとってはたまらない香りなのだろうか。



2018/01/15

ツマグロヒョウモン~3頭のツマさんたち(羽化不全と保護したこ)24~ 懐かしい脚音 

1月15日
今日も晴れ。そして気温が暖かい。
しかし気持ちは、このすがすがしい青空とは違ったものだった。

ツマサブロウさん、45日目。
昨日から様子がすこしおかしかった。
夕方、はちみつ水をあげようとしても吸おうとせず、ひっくり返ると弱弱しい翅の動きで元に戻ることができなかった。
ひっくりかえったサブロウさんに丸めたキッチンペーパーを近づけると、それに脚をのばしつかまって元に戻ることができた。
ツマジロウさんとは、そのキッチンペーパーに捉まったままの姿でさよならをした。

今日、ケースを覗くと、同じ状態で佇むツマサブロウさん。
眼をみると偽瞳孔でこちらをみているようだった。それで生きていると思っていた。
しかし、日光を浴びても、ツマサブロウさんは動くことはなかった。

昨日、ふっとツマサブロウさんの思い出が蘇ってきたのは偶然だろうか。
その名の通り、虫の知らせだったのだろうか。

もう大きな虫かごのなかには誰ひとりいなくなってしまった。
あの、キッチンペーパーを歩く、カサカサというかわいい脚音を聞くこともない。
この音は、猫たちも大好きな音だった。


よっちゃんの羽音が、今日はいつもより心にしみた。
あとどのくらい、このこと一緒に入れるだろうか。

よっちゃんは朝ごはんを食べたあと、しばらくじっとして、
透明な水玉のきれいなおしっこをした。
ハタハタと翅を動かし、元気にネット内を歩き飛び回っていた。



また川沿いを歩いた。
多くのツマグロヒョウモンや生き物たちを育んできたスミレは、
12月中頃にぞっくりと抜かれ、緑も何もない寂しい道が延々に続いているようだった。
片側の道路沿いにあるノヂスミレやタチツボスミレも、道路工事の灰をかぶり、
また同じように抜かれてしまっていた。

10月、私はこの道を歩くのが好きだった。
羽化する前の蛹を発見したり、時々羽化した直後の蝶たちに会えたからだ。
しかし今、この道を歩くたびに、私は陰鬱な気分になる。
その寂しさや悲しみは、この町の、誰にも理解されないかもしれない。
町や道路が美しく整備されることが、人々の喜びであり、望みなら。

今年の春には、もうオレンジ色の美しい蝶たちは姿を見せないかもしれない。
春に空を舞い次の命を育むはずだった越冬幼虫は、スミレが抜かれたと同時に排除されてしまっただろうから。

そんなことすら、人々は気にかけないかもしれない。

しかし私にはそれがつらい。


昨年の秋、川の上を一頭のツマグロヒョウモンがゆうゆうと滑空していたその情景を、
私は今でも忘れていない。
そして時々、現実世界では飛べなかったツマオさんやツマコさん、ツマサブロウさんやツマジロウさんが、翅を広げオレンジ色をキラキラさせながら、同じように舞う姿を夢見る。
みんなここで生まれたんだよ、そして、君たちの大切な食料や子供たちが、ニンゲンのためにいなくなってしまった・・ごめんよと、
何度も何度も思う。


2018/01/14

ツマグロヒョウモン~3頭のツマさんたち(羽化不全と保護したこ)23~ ビオラとツマサブロウさん 

1月14日
今日も快晴。昼も冷える。

ツマサブロウさんとよっちゃんは44日目となった。
二頭とも日を浴びて、元気に過ごしている。

よっちゃんはいつのまにか、もう片方のパルピも取れてしまい、丸顔になってしまって、ややツマグロヒョウモンらしからぬシルエットに…。
パルピは眼を掃除する役目もあるというから、よっちゃんの眼は大丈夫だろうか?
見ると少し曇っている気がするのだが…。

今日は二頭とも、朝ごはんを食べた。
ツマたちは時々、お腹がいっぱいなのか気分なのか、蜜を飲まない時がある。
それでも1日丸々絶食ということはない。


昨日はツマサブロウさんのケースにビオラの花をいれたところ、朝日を浴びて活発になっていたサブロウさんは興奮?したような感じで、ビオラの花に口吻を突き刺していた。摘んだ花からは蜜は出ない。そっとサブロウさんからビオラを放すと、名残惜しそうな感じで口吻でケースの底をタンタンとたたいていた。
この日はサブロウさんは朝ごはんを食べていなかったので、蜜が欲しいのかと思い、早速2度目のはちみつ水を作って差し出したのだが、それには無関心だった。


よっちゃんは相変わらず、口吻をはちみつ綿棒にのっけたまま、微動だにしない。30分経ってもそのままの状態の時があるので、そういう時は綿棒を動かすと、思い出したように口吻をくるっと巻くので、自分の指によっちゃんをのせ、そこからネットの壁面に移す。


ツマジロウさんが亡くなってから、寂しさもひとしおとなった。
ツマジロウさんは落ちていた蛹を保護して、うちで羽化したこだった。
よっちゃんとサブロウさんは外で産まれて成虫で保護したこだ。
その差がなんとなく響くのかもしれない。

そして、数々の蝶たちを見てきて、寿命を含め蝶にも個性があるのだなと思う。
サブロウさんとよっちゃんだけをみていても明らかに違う。
今まででビオラの花に毎度口吻を突き刺すのもツマサブロウさんだけである。
早食いでアクティブなのもサブロウさんの個性と思う。

外で保護した時も、誕生したてのよっちゃんのそばに、枯葉にしがみついてぽつんといたツマサブロウさん…。
こちらを見て、どうぞ私を連れてって・・・と言わんばかりな感じだった。
そのスタートから見ても、サブロウさんは積極的だなと思う。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夕方、二頭の食事とした。
よっちゃんは動きは鈍いが蜜を吸っているようだった。
パルピの取れた丸顔が(下地が黒くて光沢である)なんともいえない。

一方、ツマサブロウさんはなんとなく元気がなかった。
寝ぼけていたのか、室温が低くて動きが鈍かったのか・・・。
とりあえず、夕飯はあきらめた。

明日も元気で会えればいいと思う。

2018/01/11

ツマグロヒョウモン~3頭のツマさんたち(羽化不全と保護したこ)22~ よっちゃん、また脱走(飛?)。

1月11日
今日も朝から快晴。だか、夜は氷点下になるかもしれないという。

ツマジロウさんは、生きたままの姿で紙のケースの中にいる。
家人もまるで生きているようだと驚いていた。
生き物は死ぬとき、苦しむと、その様相が変わることもある。
今まで見てきた昆虫の死体はほとんど仰向けになっていた。
蝶にいたっては横になっていたり、やはり翅を広げた状態で仰向けという姿が多かった。
しかし、ツマジロウさんは、立ったままの姿で、一昨日、食事をあげて、お休みと別れたそのままの姿で、虹の彼方に旅立っていった。
本当に、魂だけが、すぅ~っと抜けていったようだった。


ツマサブロウさんとよっちゃんは40日目となった。

ツマサブロウさんは広くなったケースの中で日光浴をし、パタパタと動いた。
気になるのは、ツマサブロウさんは翅のゆがみから、よくひっくり返ってしまうということ。
今はまだ腹筋も背筋もあるようで、くるっと立ち直るが、やがて衰えてきたときにそれもできなくなるかもしれない。
注意しておかねばと思う。

よっちゃんも日を浴びて、よく動いた。
そのハタハタ動き回っているときに、私は食事としてしまったがために、
よっちゃんは蜜に集中することなく、手に登ったり、羽ばたいたりして、
ふわっと特大ネットから出てしまった!!

光に向かって、窓側にふわふわ飛ぶよっちゃん。
下で、猫のわさびが待ち構えている!
下に降りたよっちゃんを、動体視力抜群の猫がとらえようとして、猫を必死におさえた。
よっちゃんは窓とカーテンの間に入り込んだので、カーテンの入り口を抑え、
降りてきたよっちゃんをなんとかして手のなかに収めた。
そして、特大ネットに戻した。

冷や汗をかいた。あわや猫と蝶が大惨事となるところだった・・・・・・。

日光を浴びた直後、動き回る蝶(特に飛べる蝶)には食事させないこと、
ちょっと休ませて、じっと止まってきたころに食事を与えることと、肝に銘じた。


チビ幼虫はみるみる成長してきた。
食事は夜中にも取っており、昼の12時くらいにまた動き出して、モリモリ食べる。
また日が落ちてきたころに食事をするだろう。
食事→消化→排泄サイクルの時間の感覚はなんとなく一定しているようだ。


2018/01/10

ツマグロヒョウモン~3頭のツマさんたち(羽化不全と保護したこ)21~ ツマジロウさん、ありがとう。  



12月10日
風は強いが日差しはたっぷりである。

朝ごはんのまえの日光浴のとき、ケースをみると、ツマジロウさんはまだ昨日のまま、たたずんでいるようだった。
触ってみても、微動だにしない。
不安がよぎった。

日光を入れると、サブロウさんは曲がった不自由な翅をはばたかぜ、元気に動く。
ときおりジロウさんの近くによるが、ツマジロウさんはやはり動かない。



ツマジロウさん、40日目の命だった。



ツマジロウさんは立ったまま、翅を広げたままで亡くなっていたので、まるで生きているようだった。
そっとツマジロウさんを手に取ると、形を変えずに、翅の光沢も、体の産毛もキラキラと光り、複眼も美しいままだった。

柔らかい紙のケースに入れ、ビオラの花を少し入れた。


ツマジロウさん、今までありがとう。。
11月、川沿いで横になっていた蛹を保護し、おそらく羽化不全だろうと、
産まれてくるまで不安だったが、時間をかけて、12月1日に無事に誕生してくれた。
片方の翅は不自由だったけど、なぜか気品のある美しい蝶だった。


大きなケースの中は、とうとうツマサブロウさんだけとなった。


ツマサブロウさんは仲間がいなくなったことに気付いているのだろうか…。

よっちゃんは今日も特大ネットで、日を浴びて、ハタハタ羽ばたいている。
左のパルピが取れてしまって、顔の黒い下地がむき出しになってしまい、
もう片方のパルピも不安げな感じでくっついている…。そして翅も先端がほぼなくなってしまった。
サブロウさんの翅も動くたびにちょっとづつ欠け、右側の翅がザクザクとした感じになってしまっている。
それでも2頭は、まだまだ元気そうだ。


私の願いとしては、ツマサブロウさんとよっちゃん、そして、今育ち盛りのチビ幼虫に、春、桜の花を見せてあげたいこと。
それがかなわなくても、2頭にはせめて、桃の花を見せてあげたい。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

チビの食事を久々に見た。
昨日の残りかけのスミレの葉と、新しい葉をいれておいたところ、チビはややしなびた古いほうの葉を食べた。
新鮮な方が好むのかと思いきや、それを素通りしていくことは結構ある。
そしてしばらくかりかりと小さな音を立てて食べああと、また割りばしの上の方にゆっくりと戻って行った。



夕方、はやめにツマたちの食事とした。
よっちゃんが珍しく口吻を動かしておいしそうに飲んでいる。日中羽ばたいた時間が多かったからかもしれない。

ツマサブロウさんはハチミツ綿棒を近づけても口吻を延ばすことなく、2回目の食事はしなかった。
ゆっくりと動いて、まるめたキッチンペーパーにしがみついた。
おねがいだから、このまま、死んでしまわないでね…と思ってしまった。



ツマジロウさんのことを考えた。
昨日、最後の夕飯のとき、ツマジロウさんは私の指にとまって微動だにしなかった。
それがなんだか不思議だった。

今日の朝、ツマサブロウさんはほんとうに、生きているときと同じ姿だった。
今でも手のひらに乗せれば、生きている蝶のようだ。

眠ったまま、ふうっと魂だけが抜けていったような感じだった。

その魂は、どこへ行ったのだろう。

縮れた翅がふわっと広がって、そこらへんを自由に飛び回っている気がする。

見えない世界が今生きている世界のとなりにあって、
そこですきなだけ蜜をすい、すきなだけ羽ばたいているような気がする。






2018/01/09

ツマグロヒョウモン~3頭のツマさんたち(羽化不全と保護したこ)20~  

12月9日
昨日は雨が降り、今日は朝から外がしっとりとしている。
気温は17℃くらいになるという。春の陽気。

ツマジロウさんは今日で40日目、ツマサブロウさんとよっちゃんは39日目となった。

昨日は夕方、ツマジロウさんは蜜をすいすい飲んでくれたが、サブロウさんはあまり乗り気でなく、食事しなかった。
よっちゃんはこのところ、蜜綿棒に口吻をのせたあと、30分近くそのまま固まっていることがある。綿棒を動かすと、延ばした口吻をくるっとしまい思い出したように動くので、そのまま指にのせて、ネットの壁面に移す。

昨日は雨のせいか、湿度が調度よく部屋もあたたかかったようで、ケースにいるツマサブロウさんはゆっくりゆっくり翅を動かしていた。
よっちゃんもネットの中で、翅を広げていた。


今日は朝から室温がぬるく、やさしい日の光が窓からさしてくるので、ツマたちを少し日光浴させたあと、食事とした。
ツマサブロウさんはまってましたというように、口吻を忙しく動かしながらすいすい吸っていたが、ツマジロウさんはなぜか素通りしてしまい、食事はとらなかった…。
こういう時の蝶の気分というものはわからない。
だけど一日まったく食事をしないということはない。


外の草花はほとんど枯れてしまい、ツマたちのために摘んでくるということも難しくなった。かといって、販売している切り花にはなんとなく抵抗がある。
そこで、時々、香りが良いので、うちの鉢植えのビオラの花を入れておくようにした。
花を入れると香りにつられてツマサブロウさんが近寄り、花に向かって口吻をフムフムと動かす。
でも吸えないとわかるとそそくさとその場を離れる。
これはツマサブロウさんしかやらない。


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チビは順調に育っている。スミレの葉をいれておくと数時間後に食べたあとがついている。ツマグロヒョウモンの幼虫は必ずといっていいほど、葉の側面から葉を薄く削るようにすいすいと食べていく。

このところは、タイミングが合わず、チビの食事を見ることができない。

この時期、スミレの葉は枯れ始めてきて路上での採種が難しくなってきたのだが、なるべく水分を含んだ新鮮な葉をあげれるよう、努力している。

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夕方、またツマたちの食事とした。
よっちゃんは相変わらず、ずーっと綿棒に口吻をつけたままあまり動かない。
ツマサブロウさんはすいすいと吸ってさっさと食事を終えてしまった。

すこし様子がおかしいのはツマジロウさんだった。
蜜を近づけると口吻を延ばすものの、弱弱しく、吸っている感じがしない…。
何度か試したものの、あまり食が進まないようだったので、ケースの下の方にいたツマジロウさんをそのままにした。
ツマジロウさんはただただじっとしていた。

2018/01/05

ツマグロヒョウモン~3頭のツマさんたち(羽化不全と保護したこ)19~ チビが脱皮した 

2018年」1月5日
ずっと晴れが続いていたが、今日は薄曇りで寒い。
室温は15℃前後。

ツマジロウさんは36日目、ツマサブロウさんとよっちゃんは35日目となった。
よっちゃんは悲しいかな片方のパルピが取れてしまったが、それでも元気に過ごしている。
皆、元気に過ごしている。

昨日は食事時、ツマジロウさんが蜜を吸いながらおしっこをした。
同時にあげたツマサブロウさんも同じように排泄をしたようだった。
生まれたての頃とは変わり、尿も透明になった。

今日は室温が低く、太陽の日も無いので、ツマたちは動かない。
朝ごはんの時は珍しくツマジロウさんが口吻を延ばさず、吸おうとしなかった。
まだまだ眠い・・動きたくない・・といった様子。
ツマサブロウさんはすいすいと蜜をすい、よっちゃんもじっと口吻を蜜綿棒にあてて吸っているようだった。


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一方、チビ幼虫だが、2日間ほど、割りばしの上で微動だにしなかった。
時々、様子を見るためにケースの蓋を開けるのだが、閉めるときにあやまって蓋をバタンと落してしまって、チビがぴくっと動いた。驚かせてしまったようだ・・・。
ごめんよ、チビ。


2日前、微動だにしないチビは、顔の部分が取れそうになっていた。首の部分にオレンジ色のものが見えた。彼らのベースの色(?)はどうやらオレンジ色のようだ。
一回、別の脱皮したてのチビを見たことがあるが、顔がオレンジ色だった。

ツマグロヒョウモンの幼虫は脱皮する前、動かなくなるという。それを知っていたので、このこも次の成長への過程に進んでいるのだろうと思っていた。

そして、チビは昨日の夜中に脱皮をしたようだった。割りばしの上に脱ぎ捨てたモコモコと一緒に一回り大きい顔になったチビがいる。
寒いので、脱皮にも時間がかかったのだろう。

どうか無事に、育ってくれますように。


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12月に購入した無農薬のニオイスミレは、3個のうち、1個が不調そうだ。赤い花の咲くスミレである。毎日様子を見ていると情も移ってくるので、とても心配だ。
スミレは寒さに強いと聞いているが、大丈夫だろうか。水はやりすぎないように気をつけよう。

他の2個=八重咲のものと、白花のものは順調に少しづつ、新しい葉を育んでいる。