Kyon {Silence Of Monochrome}

Kyon {Silence Of Monochrome}
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2017/10/22

台風間近、蛹の保護。

蝶が好きだ。その中でもアゲハ蝶の舞う姿にはいつも見惚れてしまう。
スリムなボディに淡い黄色とポイントブルーの大きな翅の、それはそれは美しい姿。
ずっと見ていても飽きない。




近くに柑橘系のレモンの木があるので、ここにクロアゲハやナミアゲハなどがよく来ていた。
以前から時々幼虫の姿もみていたので、いつか卵から育ててみたいと夢見て、
ほかの方の飼育ブログを覗いたりしていた。

そんな矢先、その小ぶりなレモンの木に、またまた小ぶりな青虫がいたではないか。

10月14日撮影


おそらく、普通のアゲハチョウの終齢幼虫だろう。
木の持ち主の母いわく、他にもいただろうが、いつも丸々太ったころに、鳥に食べられてしまうようだと・・・。
なんとかこの子を保護できないかと思い、応急処置として鳥に食べられぬよう、この木の幼虫のいる部分に帽子用の虫よけネットをかぶせてみた。
天気が不安定でずっと雨続きだったが、このネットは多少の雨夜避けにもなっているようだった。


その後、朝昼晩と様子を見ていた。
ある夜、葉を食べずにうろうろ動き回る姿。葉にはなにやら水っぽい便?
これが蛹になる前兆かと思った。
次の日の朝、棒にピタッととまっているイモコさん(と名付けた)。
逆さになったり、しばらくするとまたもとに戻ったり。
ここに決めたようだ。
蛹になる前の大移動と、安全のため高い場所に決めるとネットで知っていたが、
確かに葉を食べていた場所とは離れていて高い場所だ。


10月18日撮影


ずっと雨が続いている。時々イモコさんのあたまにちょこんと小さな水滴がついていて、それがなんともかわいらしい。どうやら表面は撥水加工のよう。

そして次の日、10月19日の朝、「前蛹」と呼ばれる状態になっていた。
次の日の20日も同じ体制でとどまっていたが、一匹のアリがイモコさんのからだの上でチョコマカチョコマカ遊んでおり、イモコさんは時折邪魔そうにぴくぴくと動いていた。

10月19日撮影

21日の朝に再び様子をみるとさらに縮んだ様子で黄味がかってきたので、いよいよ蛹になると思った。

そして次の日の朝、イモコさんはきれいな蛹になっていた。

10月21日撮影

この日まで晴れる日はなくずっとひつこい雨続き。
しかも台風が来ているというので雨が次第に強くなってきている。
23日には東京も暴風になるというので、どうしようと2-3日悩んでいたが、今日の朝、意を決して蛹のついている棒を引き抜き、部屋の中に保護した。


イモコさんと出会ってから、毎日雨ざらしのイモコさんが心配でならなかったが、よくぞここまで頑張ったと、なにやら胸にじーんとくるものが・・・。
みればみるほど美しい蛹。一回、ピクリと動いた。
最初に見た時からイモコさんは普通のアゲハの幼虫より小さい気がしていた。蛹も2.8センチくらいとやや小ぶり。
ひょっとすると育つ個体も小さめかもしれない。しかも季節は10月中旬を過ぎている。
越冬するにせよ、このまま孵化するにせよ、なんとか無事に育ってほしい。



2017/10/01

蝶は眠る {カラスアゲハとモンシロチョウ}

セミ達がその一生を終え、コンクリートの上に無残に落ちていると、そこでは土に戻れまいと、できる限り拾って土の上に置いてやるのが、私と家人の夏の恒例行事であった。


ある日ふと思った。
空に舞うあの宝石=蝶たちは、いったいどこで一生を終えるのだろうか。
蝶の羽根が落ちているのは時々見かけていたが、そのままの姿というのはあまり見たことが無かった。





そこで、思い出すのは・・・・・


初秋の風が心地よく、すっきりとした穏やかな晴れの日。
家人と私は植物公園へと自転車で向っていた。
目的は豊かな自然と華やかな花が咲き誇る場所で、蝶に出合うこと。

自転車で走行中、突然、前方に黒い塊が見えた。
急いで自転車を止めて見ると、そこには黒くて平たいものが落ちていた。

とても大きな、黒い蝶だった。

命が尽きてまだ間もないようだった。先に走っていた家人も気づいており、Uターンし戻ってきた。
ティッシュにくるんでその蝶を壊れないよう、そっと持ち上げた。
こんな車の往来の激しいところに置き去りはかわいそうだと、意見が一致した。

見ると街や森の中でよく見かけるクロアゲハではないようだ。
表面はビロードの様な質感で鮮やかな青い光沢。溜息が出るほど美しい・・・。
蝶は死してもこんなに美しいのか、とあらためて思った。

以前、写真で見たことのあるカラスアゲハに似ていたが、こんな街中であのような美しく巨大な蝶がいるのだろうかと思った。しかし見れば見るほど、その美しさはカラスアゲハのようであった。

その大きな蝶を壊れないよう、優しく包み、自転車の籠に乗せた。もっと静かで緑の多い場所に移してあげようと。
そして道の途中にあった草の茂る静かな場所に、そっと置いた。
あとは他の命の糧となり、やがて土にもどってくだろう、
地上での一生、本当にお疲れ様・・・とこころの中で想いながら。


その後、植物園で花に群がる三匹のカラスアゲハに出合えた。
とても素早い動きに長い時間翻弄された挙句、至近距離での撮影は叶わなかったが、
その青く輝く美しい姿は、まさに「宝石」であった。



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また、とある秋晴れの涼しい午後。

私は春ごろから小さな趣味となっている蝶探しに近所を歩いていた。

最近になって感じてきたのは、雨の降りそうな日・・・空気の重い、湿度が高い日は蝶がなかなか飛んでいないということ。飛んでいるとしても、セセリやシジミチョウなどの小型の蝶が多い。
逆に風が穏やかで、太陽がさんさんと降り注ぐ、まぶしいくらいの日中は、アゲハやヒョウモンチョウ、モンシロチョウやモンキチョウなどが活発に飛んでいる。

そのなかでモンシロチョウはどこでも会える、もっともポピュラーで定番的な蝶なので、最初は写真を撮り続けていたものの、最近はあまり気にもかけなくなっていた。

そんな時だった。突然、目の前にふわっと白いものが落ちてきた。
道路の真ん中に、らひらと舞い降りて、移動する様子がない。
一匹のモンシロチョウであった。
近づけばまた飛び立つだろうと近づいてみたものの、蝶は羽根をパタパタとけんめいに動かすのみだった。

道路の真ん中でこのままにしては、人に踏みつけられてしまうかもしれないし、自動車や自転車にひかれてしまうかもしれない・・・。それはあまりにもかわいそうだと思い、モンシロチョウをそっと持ち上げ手のひらにのせ、近くの草むらにそっと置いた。

モンシロチョウはパタパタとしてすぐにひっくり返ってしまう。それを何度も繰り返す。
もう命は短いと思った。

蝶から離れ少し歩いたが、あの草むらでは人通りも多いしなんだかかわいそうだ・・と思えてきたので、急いで引き返して再び蝶を手のひらにのせた。つぶさないようにおおった両手のなかで、まだ懸命にパタパタと動いている。蝶の命をその手の中で感じた瞬間だった。と、同時に、寂しいような切ない想いが、心の中を駆け回った。

そっと蝶を手に抱えながら、近くの森へと急いだ。
ここなら、静かで緑も深い。

モンシロチョウを枯葉の上に置くと、蝶はまだ動いていたが、それもかすかな動きにみえて、ああ、もう間もないのだなと思った。
心の中に悲しい想いが充満してきた。

見ればパウダースノウのように柔らかい白さで、羽根も身体も、とても美しい。
そしてチャームポイントの黒いモンが愛らしい。
以前からその無垢な美しさにまるで地上の妖精か天使のようだと思っていたが、本当にそう見えてくる。

しかし、その美しいモンシロチョウは細い体を小さく震わせていた。
なんとも言えない悲しみが湧きあがってきた。
さようなら・・・・・とこころの中で手を合わせた。




手のひらに感じた、蝶の最後のはばたき・・・命の温もりが、今でも忘れられない。


蝶もセミも、ネコも人も、最後は土に戻るのが一番よいことではないだろうか。
灰色のコンクリートの上では、一生懸命生きてきた命が、あまりにも切ない。







2017/09/20

下北沢北口のお店二カ所でポストカード販売しています。

只今下北沢の下記二カ所で、ポストカードなど販売しています。

■下北沢北口 DIAMOND HEROさま

■下北沢北口 素今歩さま

作品をご覧くださった皆さま、
また、ポストカードをお買い上げ頂いた皆さま、本当にありがとうございます!
新作はちょくちょく追加していますので、下北沢にお越しの際はぜひお立ち寄りください。


最近、素今歩さまに追加納品したポストカードのイラスト(一部)です。

「それはわたしのもの」



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下北沢は個人的にとても思い入れのある街です。
祖母が生前、隣町に住んでいたということもあり、20年くらい親しんでいる街です。
最近は街のお店の出入りも激しく、様相もめまぐるしく変わっていました。
平日でも人が多く、若い学生、観光客、そして地元の人々が忙しく行き交う、アグレッシブでエキセントリックな街です。


私が20代の頃に好きだったお店は、なんといっても「イカール館」。
当時、下北沢で働いていたということもあり、ここのランチはよく利用しました。
店内はちょっと薄暗く、アールヌーボーの香り漂う、ノスタルジックな雰囲気。
重厚な趣に反しランチはリーズナブルな価格で、チキンピラフのなんとも美味しかったこと!
今でも心に残る味です。

同じく北口にあった「エテルナスイーツ」という小さな喫茶店。
こちらはポップな感じでちょこっとした可愛らしい雑貨も売っており、お店のお姉さんもおしゃれで美人揃いでした。
ポテトサラダをのせたチーズトーストがとても美味しかったです。

また北口にあったカレー屋さん(名前を忘れてしまった)。カウンターと少々のテーブル席でしたが、いつも混んでいて、
とにかくカツカレーが美味しかった。


そしてジャズ「喫茶マサコ」。入った時の衝撃は圧巻でした。そしてなんと居心地のよかったこと・・・。あんをのせたトーストがちょっとした休憩や小腹のすいたおなかに丁度よく美味でした。
無くなってしまったことが今でも寂しく、残念に感じます。


これらの店はもうないのですが、下北沢を訪れるたびに懐かしく思い出すお店たちです。


時代のニーズや流行に合わせた街造りや、街の新陳代謝が活発であることは必要だろうし、それはそれで良いことなのだろうけれど、
「ああ、無くなってしまったのか・・・残念だなぁ。」と思わせるようなお店は、
これからどのくらい出るだろうか、古い思い出を片手に、ふと思ってしまいます。

2017/08/23

べっこう細工のような可愛い虫{スケバハゴロモ}

私は病気をして入院したため、その後の体調管理や体力回復にできるだけ歩くように心がけ、近所の散歩コースもでき始めていた。

夏らしくない妙な天気からすこし脱して、少々太陽が覗き始めたとある日の午前。
お気に入りの川沿いを歩いていると、
なにやら葉っぱの上に見たことも無いものが・・・。


すけすけでハート形である。それが葉の上でくるくるとゆっくり動いている。
散歩に必ず持ち歩くようにしているデジカメで、一緒に散歩していた家人に撮ってもらうよう頼んだ(接写がまだまだ苦手なもので)。


べっこう細工のようにかわいらしい。やはりハート形にみえる。

ただ、撮った画像をよく見てみると、蝶や蛾の仲間ではないようで、ちょっと苦手な様相だ。
なんだか蛙の様な、ずんぐりむっくりとした顔とボディ。
調べてみるとこのこはスケバハゴロモという、なんとカメムシの仲間だそうで・・・なるほど。


川沿いの森は、毎日歩いても飽きないほどに多彩な生物の様々な姿が見れる。カメラを持ち歩くのが本当に楽しく、宝探しをしているような気分になる。
怪我の巧妙というべきか、病気をする前はまったく気づかなかった身近な驚き、そして楽しみ。
日々、小さな命に気づかされ、勇気づけられる。

スマホを見ながらうつむいて歩くには、本当にこの世界はもったいない。








2017/07/26

やっと撮らせてくれた。{ツマグロヒョウモン雄}

地元には蝶が良く飛んでいる。
季節によって、飛んでいる種も変わっていく。
例えば、5月ごろよく見かけたミスジチョウ。


空中をなめるように飛ぶ姿は特徴的で、模様と共に愛嬌があり好きだったが、このごろはもう見かけなくなってきた。

変わって最近よく見かけるようになってきたのは、同じタテハチョウ科のヒョウモンチョウ。オレンジ色が大変鮮やかで、真夏の空によく似あう。

アゲハチョウは優雅に飛び、ご覧になってと言わんばかりに木々にとまって羽をゆさゆさしているし、アカボシゴマダラも余裕たっぷりに樹液を吸い、草木の間に休んでいた。
彼らはゆっくり写真を撮らせてくれたのだが、この橙色のヒョウモンチョウはというと、なかなか気難しい蝶で、ちょっとでも近づくと気配を感じて素早く逃げてしまう。
見つけては逃げられ、それを繰り返しなかなか撮れない。

さて、午前中、近くの団地を通ると、二匹のヒョウモンチョウがくるくる楽しそうに飛んでいた。このこたちもタテハチョウ科の特徴か、時々滑空して、すいーすいっと空中を自由自在に舞っている。
連日この様子を見かけていたので、今日はなにかチャンスがあるかもと少しまっていると、一匹のヒョウモンチョウが近寄ってきて・・・



やっと姿を撮ることができた!なんて美しい色だろう。
そして、このこはツマグロヒョウモンの雄だった。

↓こちらがツマグロヒョウモンの雌(2015年9月撮影)




さらに近寄ってみても逃げない。
警戒心の強いこの蝶がなぜ、こんなに近寄っても逃げなかったのかは、すぐにわかった。



何らかの原因で、羽の一部が欠けてしまっている。
飛ぶのにだいぶ苦労がいるのだろう。彼は休み休み飛んでいたのだ。

ちょっと申し訳ない気分になって、貴重なお姿を少し撮らせて頂き、すぐに退散した。


ちなみに目の色も、ひげ(触角)も足もすべて、オレンジ色。
美しい色といい、模様といい、このディテールの細かさ、自然には脱帽である・・・。