Kyon {Silence Of Monochrome}

Kyon {Silence Of Monochrome}
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2021/12/15

夕焼け

 わさび、今日は高い棚には登らず、太陽を追いかけてた姿もなく、歌のようにこたつで丸くなっている。

確かに昨日と今日とかなり冷える。


ドライは口にせず、1時間おきくらいにペーストをあげている。ぺちゃくちゃと自分で舐めてくれるのがせめてもの救いだ。

強制給餌については、腎不全の猫ちゃんと暮らしている家族にとっては必ず通る道で、悩まれている方も多い。

うちではわさびがか細い声でとても嫌がり、これ自体がストレスになると考えてやっていない。気難しいこの子には私しかいないのに、それさえも信頼を損ねてしまったらわさびが可哀想だとも思う。

自分で食べれるうちは自分で、そう思っている。


木々は美しく紅葉している。おひさまを浴びて光るさび猫の毛色のようだ。


わさびは今、夕焼けの頃を過ごしているのだろう。

願いはただだひとつ、穏やかな日々を過ごして欲しいということだけ。








2021/12/13

わさび 少しづつ取り戻す

 混乱しているとき、書くということは心の整理につながる。

また、愛猫の老いを改めて強く感じ、毎日が本当にかけがえのないものであるということを思い知った。


猫の具合が悪くて病院に行くならまだしも、健康で元気な状態だったのに、急転直下、体調を崩してしまうのは本末転倒。それが悲しくて悔しくて。

寒さや長距離に合わせて、いろいろなことを矢継ぎ早にしてしまったがため、ただでさえ免疫力の落ちている老猫に相当なダメージを与えてしまったのだろう。悔やんでも悔やみきれない。

11年前、良かれと思ったワクチンですでに愛猫を苦しめていたのかもしれないのに、そして尊い命を奪ってしまったのかもしれないのに、なんと学びの無い家族だろうか。

愛猫や愛犬と一緒に過ごすものは、一歩立ち止まり、治療方法や薬など、得た情報を持ち帰ってよく調べ吟味することが必要だと強く思う。

それは自分の体を守るうえでも重要だ。特にこのコロナ渦では疑問に思うことが沢山ある。


わさびは少しづつ取り戻してきた。

命をつないだのは腎臓用高カロリーの猫用おやつやペースト。これらはただお皿に盛っただけでは食べないので、その都度、人肌に温め、指につけてわさびの鼻元までもっていく。そうするとクンクンとして、ペロッと舐める。舐める強さが強ければ食欲があるということだ。わんこそばのように食べたら次、また次と指につけて舐めるを繰り返していくと、小皿いっぱい=約5グラムくらいは食べる。これを毎日、様子を見計らって繰り返した。おかげで私の指はいつも魚臭い。

ここ何日かで高カロリーおやつは2本、ペーストは40グラム弱食べた。これで飲む水の他に水分の補給もできる、だいたい50mlくらいだろうか。本当に頼みの綱である。

ホームセンターなどに行くと、こういった食材が多いのに気づく。子猫用より圧倒的に老猫用のフードが多くバリエーションも豊富だ。それだけ現在長寿の猫が増え、愛猫の食に悩む家族も多いということだろう。


ドライフードも少しづつ食べるようになってきた。ペーストは水分が多いがカロリーが少ないため生命維持にはやはりドライフードが大切だ。わさびは夜ケージに入れると夜中好きなときにぽつぽつ食べるようで、一昨日の11日には15g、昨日は10g食べていた。

わさびがドライフードを食べるカリカリという小さな音、それが聞こえてきたとき、嬉しくて涙が出そうになった。命の音、まだまだ生きたいという声。希望そのものである。


二日ぶりに便も出た。ツヤのあるつるっとした良いウンチだった。水分もだいぶ足りている感じだ。

おやつやペーストには乳酸菌など豊富に入っているのでそれも効果しているのだろうか。


日中や夜は押し入れに入ってしまいやや心配したが、同居猫のくるみも同じ時間帯に寝ているので、猫たちのリズムなのだろうと思っている。いままで気に留めていなかっただけだ。


取り戻してきたとはいえ、まだまだ油断はできない。わさびの表情を見ていると、まだなにかされるではと不安げな色が浮かぶ。猫は忘れっぽいというから気のせいかもしれないが、嫌なことはずっと覚えている動物でもある。

この不安が早く払しょくされればよいのだけど・・・。




2021/12/11

猫の補液は安全??

 病院への長い道のりに次いで、血液検査、エコー、補液、薬。次々に嫌なことをされ、ストレスで膀胱炎を発症してしまった愛猫。

病院翌日は全く飲み食いせず、これはまずいということで、シリンジで水を与えたり、病院で購入した腎臓用チュールをあげたり、よさそうなペーストフードをこまめに与えたりして、水分を取らせることに集中した。

そのかいあってか、少しづつ取り戻してきたように見えた。

9日に5日分の便をした。その際に食べたものを大量に吐いたが、けろっとしてゼリー状のおやつを食べた。

ドライフードも数粒から食べ始め、11日には15gまで食べるようになった。


補液については家人と意見が何度もぶつかった。

家人はわさびの健康が損なわれるならやりたくないとの一点張りだ。

お医者さんは補液のせいで具合が悪くなるということはまずないという。

心臓の悪い子はまれに肺水腫をおこすことがあるとも聞いたが、わさびに心臓の悪い兆候はないという。

体調を崩した原因が複合的すぎて、わからないことが多い。

ただ、輸液で腫れた前脚を極度に嫌がっていたことだけは確かだ。

100mlという量は適正だったというが、吸収が悪くなっているということも体調不良に起因しているのだろう。

30でも50でも私は補液した方がいいのではと思うのだが、また同じことになったらと思うと怖さもある。

めったにないとはいえ、私たちの猫が補液後、体調を崩してしまったことは事実だ。

今できることは、とにかく水分を取らせること。

しかし、シリンジでの飲水は難しいと感じ、わさびも相当ストレスを感じているのでやりたくない。

水分の多いペーストフードに頼らざるを得ない。


老猫なのであたたかくしてあげること。

11月の中旬、急に寒くなった時に、わさびも外耳炎の再発など体調を崩し始めた。

若い猫はダウンジャケットなところを、老猫は肌着で外を歩いているようなものだという。


そして、不用意にストレスをかけないこと。

一か月後の検査も必要だと思うが、病院への道のりがわさびのストレスになってしまうという不安もある。

なにより発作的な判断と、ニンゲン側のエゴと独りよがりな治療だけは行いたくない。


ここ1週間、私自身よく眠れずに、久々に金縛りにあってしまった。

ただただ脳が疲れてしまっているのだろう。


2021/12/05

わさびの補液

 6月に懸念していた愛猫わさびの頻尿はいったん落ち着いたが、腎臓の怪しい「影」はまとわりついたままだった。

先生の勧めで徐々に腎臓食に切り替え(10月)、

すぐに食いつきが悪くなってしまうので、3,4種類のフードをとっかえひっかえ、

わさびはちょこちょこ一生懸命食べるけれども15gを食べるか食べないか。

救いなのはお水が好きだということ。これは昔からだ。

自分の体質を本能的にわかってのことなのか?

氷をいれてコロロンと良い音をならすと、それに呼応しぺちゃぺちゃとかわいい音を鳴らしてくれる。


3カ月は猫にとって1年という。9月に血液検査を受け、今月12月にも血液検査を受けた。

数値は悪化していた。


       9月   12月

BUN     41   62

クレアチニン 1.7   4.47


尿の比重は1.03 おしっこの色は薄い 1日の回数は3回程度

体重は2.2キロ 前回より100gダウン


家人とともに頭が混乱してくる。慢性腎不全のステージがまた上がってしまったのか?

療法食を食べているのに?

エコーも取り、腎臓の状態を診てもらう。

血流もありそんなにひどい状態ではないが、先天的に右の腎臓が小さいらしい。こちらの機能が低下してきたのか。

背中をつまむと脱水の症状もあるという。


これまでの経過と総合的な判断で、補液とACE阻害剤を飲みましょうとなった。

補液は1週間に2回程度、家でやるために、家人が急遽レクチャーされる。

前から怖がりやりたくないといっていた家人も突如の実践に勇気を出し、

2回刺し損じてしまっていたが、吹っ切れたようで、後で何となくできそうと言っていた。

家人は薬を飲ませるのは得意。

これでわさびのQOLが高まるのならと、がんばるしかないねとなった。


が、、、


家につきほどなくして、わさびがポチポチとご飯を食べたので、空腹では胃が荒れるというから薬をすぐに飲ませた。

それから1時間後、わさびの様子がおかしい。

いつもは入らない猫こたつの下に入ったっきり出てこない。

小さく丸まってあきらかに元気がない。

薬の副作用か?一気に不安が高まってしまい、夜も眠れない。

一睡できたと思ったら、わさびがいなくなってしまう悪夢をみて夢の中で号泣していた。

そんなうつらうつらしていた午前4時ごろ、聞いたこともない声ではっと飛び起きる。

わぉうわぉうという地を這うような声。わさびがトイレでうなっている。

おしっこをしたらしい。痛いのか?私の呼吸も荒くなる。

しっぽを下げたままへっぴり腰であるくわさび、すぐにこたつの下にもぐりこんだので、さわろうとすると、今度は痛そうになく。


前脚が腫れている!


そういえば、病院の先生が、補液の水分が下がって脚が膨らむことがあるけれどそれはまったく問題ないですと言っていた。

これか。でもすごく痛がっている。おまけに元気がない。食欲もない。

元気にするためにした補液がこれでは本末転倒だ。


だんだんと泣きたくなってきた。


まだ早朝だし、病院は休みだ・・。とりあえず様子を見るしかない。


しかし様子をみながらも、なにか口にしてもらわないといけない。

時間を置きながら、わさびの好きな猫用おやつをちょっとづつあげた。

最初は見向きもしなかったが、時間が経つにつれ少しづつ舐める量が増えていった。

ただ鳴き声は弱弱しい。


これでいいのか?


前日はちょっとづつでも自力でフードを食べていた。

お水もよく飲んで、日光浴もし、自由に行動し、瞳は輝いていた。

なにより猫の手本のような美声が愛らしい。


考えることが山ほどあった。

知るべきことは沢山あったが、かといって調べすぎてはいけないとも思った。

慌てずに、一瞬立ち止まることも必要だった。


家人と丸一日、話し合った。

わさびのこれからのことを。