Kyon {Silence Of Monochrome}

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2021/11/11

ツマグロヒョウモン 自己流飼育のコツ ① 卵からベビー幼虫まで

 ツマグロヒョウモンと出会い、その魅力にひかれて、3年。

今年も我が家に帰ってきたたくさんのツマちゃんたち、これまでに110頭以上無事に空に飛び立った。

なかには幼虫で小さいまま亡くなったこや、蛹化を失敗したこ、蛹からでれなくなってしまったこ、蛹のまま不可解な死をとげたこも10匹ほどいて、これは毎年、起こっている。

なぜだかはわからないが、秋からの幼虫に多い気がする。個体が疲れてきてしまうのだろうか?


越冬幼虫や冬の寒い時期に羽化してしまうこのお世話もあるため、春夏秋冬ほぼ1年中、ツマちゃんたちと暮らしている。

そこでお世話のコツというか、ステージに沿って注意すべき点がなんとなくわかったので、

備忘録的に記しておこう。


これからツマちゃんと過ごしてみたいという人の一助にもなれたら幸いです。


1・卵をみつけたら

春や初夏などビオラやスミレにふわっと立ち寄ってくるツマグロヒョウモン。

きっと卵を産みたいのだろうと様子を見ていると、上手に葉の裏に産み付けていく。

一個一個それはそれは丁寧に。

この蝶は、葉裏だけでなく、苗の近くの土の上や、まったく関係のない落ち葉に産み付けていくこともある。枯れたビオラ苗にも平気で産み付けていく。

苗近くの土の上ならまだしも(孵化してから食べ物にありつける)、枯葉はないだろうと思ったことがある。

・・ある時のツマ母は、ポツっと落ちていたベコニアの枯葉に産み付けていった。その周りにはなにもない。孵化したこはたいへん困ってしまうだろうと思い、その卵はレスキューした。

卵の思い出もう一つ・・最近ではとある量販店でビオラ苗を物色中、一匹のツマ母が苗の近くにやってきて人目も憚らず卵を産み付けていった。よほど切羽詰まっていたのか、物怖じしない母だったのか。市販苗にはだいたい農薬が付いていて、これを食すと幼虫は死んでしまうので、卵を産み付けられた苗をひと鉢だけ購入した。

私にとってはきれいな花も買えたし「お土産付き」みたいなものだ。

(ほかにはアゲハ幼虫付きの山椒も買ったことがある。蝶にはなったが苗は枯れてしまった)


卵からかえす場合は、産み付けられた葉っぱを丁寧に切り取る。茎や花の裏、花がらにもついている場合があるので、丁寧に採取するのであればそこまで確認。

植物が枯れないように水処理(茎を濡れティッシュで巻いてさらに銀紙で巻く)できるようなカットであれば水処理をし、難しい場合は予備の食草(水処理済み)を必ず入れておく。卵に寄り添うようにしておいておくのがコツ。

孵化するまでにもとの葉はかれてしまうので、ベビー幼虫が瑞々しい葉を食べれるために必要。


夏場なら6日もたつと卵がだんだん白っぽくなってきて、小さな小さなモケモケ半透明の幼虫が出てくる。大きな顔に頼りない産毛の身体。この瞬間がとてもかわいい。


ちなみにツマグロヒョウモンの卵はぽろっと取れやすい。

取れてしまっても予備の葉を近くに入れておけば大丈夫。


2・孵化したての幼虫

小さな幼虫は通常の虫カゴだと、蓋の隙間からでてしまうことがあるので、市販のおかずカップなどを使うとよい。カップの蓋に空気穴をつける。
虫かごから出られない、二センチくらいにまるまではここで過ごしてもらう。

扱いは繊細に・・といってもむやみに触らずに、葉っぱ(水処理済み)を1枚程度入れておけばよい。
ちまちまと食べてくれる。
飼育器のなかにティッシュはひいておいた方がよい。フンの有無で生存確認ができるし、掃除もしやすいからだ。

そしてベビー幼虫たちは脱皮を繰り返す。
アゲハの幼虫などはご丁寧に、きれいさっぱり脱いだものを食べて処理してくれるのだが、
ツマちゃんたちは脱ぎっぱなしだ。
急にご飯を食べなくなり1日くらいじっとして次の日、まっくろくろすけのような塊ができていれば脱皮成功。

たしかにこのウニのような塊を食べたいとは思わないよね。

脱皮直後の幼虫は白い顔をしていて、トゲトゲも白っぽい。
ちなみにツマちゃんには毒はなく、トゲトゲも見掛け倒しの歯間ブラシのような手触り。
(当たり所によってはちょっとチクッとするが)