季節によって、飛んでいる種も変わっていく。
例えば、5月ごろよく見かけたミスジチョウ。
空中をなめるように飛ぶ姿は特徴的で、模様と共に愛嬌があり好きだったが、このごろはもう見かけなくなってきた。
変わって最近よく見かけるようになってきたのは、同じタテハチョウ科のヒョウモンチョウ。オレンジ色が大変鮮やかで、真夏の空によく似あう。
アゲハチョウは優雅に飛び、ご覧になってと言わんばかりに木々にとまって羽をゆさゆさしているし、アカボシゴマダラも余裕たっぷりに樹液を吸い、草木の間に休んでいた。
彼らはゆっくり写真を撮らせてくれたのだが、この橙色のヒョウモンチョウはというと、なかなか気難しい蝶で、ちょっとでも近づくと気配を感じて素早く逃げてしまう。
見つけては逃げられ、それを繰り返しなかなか撮れない。
さて、午前中、近くの団地を通ると、二匹のヒョウモンチョウがくるくる楽しそうに飛んでいた。このこたちもタテハチョウ科の特徴か、時々滑空して、すいーすいっと空中を自由自在に舞っている。
連日この様子を見かけていたので、今日はなにかチャンスがあるかもと少しまっていると、一匹のヒョウモンチョウが近寄ってきて・・・
やっと姿を撮ることができた!なんて美しい色だろう。
そして、このこはツマグロヒョウモンの雄だった。
↓こちらがツマグロヒョウモンの雌(2015年9月撮影)
さらに近寄ってみても逃げない。
警戒心の強いこの蝶がなぜ、こんなに近寄っても逃げなかったのかは、すぐにわかった。
何らかの原因で、羽の一部が欠けてしまっている。
飛ぶのにだいぶ苦労がいるのだろう。彼は休み休み飛んでいたのだ。
ちょっと申し訳ない気分になって、貴重なお姿を少し撮らせて頂き、すぐに退散した。
ちなみに目の色も、ひげ(触角)も足もすべて、オレンジ色。
美しい色といい、模様といい、このディテールの細かさ、自然には脱帽である・・・。