Kyon {Silence Of Monochrome}

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2019/08/05

ツマグロヒョウモン 77 蛹化不全・羽化不全のハナちゃん

7月は長雨が続きひんやりとしていたが、梅雨が明け8月に入り一気に夏が本気を出してきた。
連日の猛暑で、日中は外に出れない…。
ツマグロヒョウモンの食草、スミレを摘みに行くのも日が落ちてから。

昨日、101頭目のツマグロヒョウモンが無事に飛び立った。
100頭も育てていたのか・そんなにいたのか~と、あらためてびっくりする。
そしてそれくらい飼育していると、中には蛹化不全や羽化不全というこもでてきてしまう。
原因はわかならい。

最初の1頭はメスだった。普通に羽化し自分の殻にぶら下がっていたが、様子がおかしい。
片方の翅が折れて、すこし歪曲していた。触覚も曲がってしまっていた。
もしかしたら、飛べないかも…と、不安になった私は、彼女をロクちゃんと名付けてお世話することとしたが、この気温なので蝶はどうしてもバタついてしまう。
動いてはネットの中を飛ぼうとする、その様子を家人が見て、飛べるんじゃないか?と呟いた。
たしかに、片方の翅は歪曲し折れているが、両翅を広げた姿は何ら問題が無い。
意を決してロクちゃんをベランダに出してみた。すると翅を広げ、青い空を普通に飛び立っていった。


次の羽化不全は、蛹化不全のこだった。
7月の下旬に1匹が蛹になったが様子がおかしかった。
逆さになって蛹になる場合、下から脱皮していくのだが、途中で脱皮ができなかったようで、脱ぎかけのトゲトゲが上部半分にくっついたままになってしまっていた。
それでも下の方は無事でいつもの輝きも見えたので、生きているには違いなかった。
無事に羽化できるのか?どんなこがでてくるのか?一抹の不安があった。
そして昨日の夜、一頭のメスの蝶が蛹にぶら下がっていたのだが、完全に羽化不全だった。やはり残った上部の皮が取れず、完全に出れない状態でいたため、翅が広げられずクシャっとまがったまま、蝶はバタついていた。
あわてて蝶と殻を引き離そうとしたがうまくいかない。そこにちょうどよく就寝前の家人がやってきたのでヘルプした。
自身の模型用のピンセットを二本使って、慎重に殻と身体を分離してくれた。風呂に入ったばかりだったのに、また汗だくになってしまっていた。
分離はできたものの、お尻とその内部の臓器が正常にできているのかがわからない。
排泄ができればよいが、できなければ…。
幸い彼女は体力はあるようで、ケースの蓋にしっかりとつかまりぶら下がって夜を越した。

ここでふと思ったのだが、羽化不全のこはなぜか夜に羽化することが多いように思う。
特にこのこは、羽化が夜であったことが不幸中の幸いだった。器用な家人がいたから、彼女は九死に一生を得たといえるのだ。私ひとりでは器具もスキルもなく、無理だったかもしれない…。

今日、恐る恐る彼女を様子を見ると、ちゃんと蛹便をしていた。
ハチミツ水も2回与えた。最初、でっぱなしの口吻が体にくっついてしまっていたので、それを引き離し蜜をあたえると、ゆっくりゆっくりと吸いだした。ただ口吻が正常に機能しているかは定かでないので、しばらく様子をみることになる。
2回目の食事ではおしっこもしたので、排泄には問題なさそうだ。それだけでもほっとする。

翅は文字表現が難しいほど曲がりくねり、見た目がエリマキトカゲのようになってしまっているが、私は羽化不全のこをみると不思議にかわいく思えてくるのだ。
この状態では長くないかもしれないが、命の限りまでせいいっぱいお世話しよう。

名前は8月・通算7番目の羽化不全のこで、ハナちゃんと名付けた。