Kyon {Silence Of Monochrome}

Kyon {Silence Of Monochrome}
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2011/05/10

言葉と心

人は言葉を手にした瞬間に、
言葉以前の世界は無意識に埋没し、
再びその扉を開く事が困難になるという。

例えば文章の沢山書いてある紙がとじてあるものには、「本」などという名前=言葉がある。

ふわふわした四足のそれには、「犬」や「猫」などという言葉があてはまる。

言葉以前、つまりこれはなんだろう?と疑問を持った時に、
様々な解釈と空想と触感、自分の五感をフル稼働して、
「コレハナニ?」と頭をぐるぐるさせている、
万華鏡のような瞬間ではないかと、私は思っている。

それが、「これは本よ」と言われた瞬間、
「本」という言葉で全てが集約され、
まるで壺の中に、煌めく宝石が一瞬にして吸い取られてしまったかのような、
虚脱感を感じさせる。

無意識に閉ざされた扉は、
多分年齢でいう三歳以前くらいだと思うのだけど、
人の記憶もその年齢以前は思い出すのが困難とされているらしい。
「三つ子の魂100まで」というがそうであれば、
ぜひ開けてみたいものだ。その扉を。
しかし、何が隠れているか解らないし、
言葉で表現できない世界観を、
言葉で支配されているこの頭で理解し統合するのは非常に混乱すると思う。
そして、自分の記憶とはいえ、
パンドラの箱にもなりかねない。

ツイッターを始め、あらためて人の言葉の重要性を感じているが、
言葉では言い表せないものも莫大に孕んでいるのが人の心だ。
言葉1つで表現し理解するには、あまりにも深すぎる世界とも思う。