わさびは1カ月に一度、定期検診を受けている。
毎回わさびは嫌だろうと思うのだが、それでもだいぶ慣れてきた。
血液を採るときもおとなしく、とても良い子ですよと言われた。
(おそらく固まって動けないだけだが…)
毎日の投薬(一日4回)はそれなりに大変だが、それ以外の時間はゆったりと過ごし、
以前よりもよく食べ、声にも張りがある。
階段も軽快に駆け上がる。高いところにも上ろうとする。
そういう姿を見ていると、身体が軽いのだなとほっとする。
血液検査などの数値はあくまで数値なので一喜一憂してもしかたないのだが、
それでも身体の大事なシグナルである。
また数値は冷静かつ客観的に考えるための一助となる。
そしてこれまでの経験から、データを細かくみて判断してもらうということの重要さも痛いほどわかった。
3月下旬は体重が少し増えて2.26キロ。これは喜ばしかった。
BUN53、CRE2.7。BUNは少し上がってしまったがクレアチニンは下がった。ラプロスが効いているのだろう。
ただカリウムは2.5と低いままだった。
前回カリウムがなかなか上がらないのでもう少し増やしましょうということになり、1日2mlあげていたものを2.2mlにしてみていたのだがそれでも低いままだった。
食事などのタイミングもあるかもしれないが血液検査の時間はいつも大体一緒。
なぜ?という気持ちになる。
先生の「ちゃんと、飲めていますかね?」という言葉が少し刺さる。
カリウムを補うためのサプリメント=フィトケアは液体だが、これを嫌がりなかなか難しく、私も気持ちがやや及び腰になることがあった。
(用意している音を聞くだけで隠れてしまう)
しかしカリウムは命に直接に関わる重要なものだという。
もっときちんと対処しよう、そう考えた。
与える量も2.3~2.4mlを目指した。
そして4月の結果。
BUN46、CRE2.6。良好な値にほっとする。
カリウムも3と、まだまだ低い値であるがやっと上がった。
カリウムは心臓や筋肉に影響する重要なものなので、低い値が継続するのはよくないという。2.2以下は危ない。
3という数値なら少し安心です、と。
カリウムが上がってくると、食欲も上がり、好循環が期待できる。
腎臓病でよくリンという値も聞くが、場合によってはリン制限も注意が必要そうだ。
わさびはこれまでリンが0.6以下の腎臓食を食べていたが、あまりおいしくないため食も細くなるし、リンの値も低く出てしまっていた。
猫にとってはリンも必須栄養素なので低いままは悪影響する。
高齢猫用の一般食を考慮してみては?との助言を受けて、尿路に配慮したそれらを与えるようにしたら、リンの値はすぐに上がってきた。
リンはうまみ成分でもあるのでよく食べるようにもなった。
体重はさらに増えて、2.34キログラムとなり、これが一番うれしかった。
12月には2キロまで落ちてしまったのだ。抱くと羽毛のように軽く感じ悲しかったのを覚えている。
よくここまで回復してくれたと、わさびには感謝しかない。
それでもわさびの腎臓は20%しか機能していないだろうという。
それをソフトな方法で支えて維持していく。
彼女を不安にさせQOLを下げてしまうようなハードな治療は極力さけたい。
私たちが考えているのは、転がりゆくボールの速度を少しでも遅くしたいということ。
坂道の傾斜を少しでも緩やかにしたい。
止めることはできなくても、ゆっくり歩ける程度の傾きで、
かけがえのない命といつまでも共に歩いていきたいということ、それだけだ。
・・・・
わさびを診てくれている今のお医者様に出会えて感謝している。
毎回、的確かつ分かりやすい言葉で対応してくれる。
そしてれは、昨年、実家にかわいい子猫がこなければ出会えない縁だった。
さらに、その子猫と引き合わせてくれた今は亡き先代猫の存在も大きい。
すべては繋がっていると感じてやまない。