アズキと出会って4ヶ月あまり。
まさかこんな運命が待っているとは思わなかった・・・
入院6日後病院へ行く。
医師が言うには、抗けいれん薬を投与しないと、けいれんが始まってしまい、
それは脳にウィルスが侵入した為に起きていて、
あまり良くない状態なのだという。
細密な検査をしたが、コロナでもトキソプラズマでも無く、
ウィルスが特定できなかった。
また、治療法が無い為、これからも抗てんかん薬を内服し続ける等、
対処療法しかない。
アズキに久々に会った。
診察台のアズキは、ベタリと寝そべったまま、動かない。
しかし、餌を持ってくると、皿の中に顔をうずめて、小さくもぐもぐと口を動かしながら、
餌を食べようとしている。
ときおり、唸り声をあげているのが痛々しかった。
はっきり言えば、もう前のやんちゃで元気な面影はなかった。
しいて言えば、大きなくりくりした目がアズキそのものだった。
でもその目も、光をあてても変化が無い。見えていないらしい・・・・・・・・・・・・
アズキは夕方引き取りに行く事になったので、
連れ合いと一緒に、近くの井の頭公園を歩いた。
病院を出たとたん、緊張の糸がぷっつりと切れ、
私は号泣した。
けがれの無い純真な子猫がどうしてあんな目に合わなければならないのか、
運命を呪った。
偽りと虚構と薄汚いものに満ちた自分自身も呪った。
世界は、やはり、不公平だ。
本来ならば私のような人間が苦しむべきなのに・・・
アズキ、御免、御免、御免・・・・・・・・・・・・
連れ合いは泣かないといった。
アズキが天寿を全うするまで泣かないと誓ったという。
そうでなければ、今必死で生きようとしているアズキに対して、失礼だという。
もっともな意見だと思った。
どのような姿であれ、
アズキは懸命に生きようとしている。
それを悲しむだけというのは、輝く命そのものに対して、
なんと失礼な行為ではないか。
わたしは全力をかけてアズキを介護する決心を固めた。
幸い私の職場は住処と近い。
職場の人間の理解もある。
母が近くに住んでいるので、母も一緒に小さなアズキをミルクから育ててくれた。
母ももちろん、悲しむだろうが、協力してくれるだろう。
アズキ、辛いだろうけど、一緒に頑張ろう。
アズキ9月撮影