イモムシ、10匹程度なら心穏やかにお世話ができる。
今、いったい何匹いるのだろうか。
物事、何事も程度というものがある。
ツマグロヒョウモンはすでに20頭が無事に羽化し青空のなかを旅立った。
それは楽しげに、生まれてきた喜びを謳歌するように飛ぶのである。
この姿が見たくて、日夜せっせとスミレを摘んでは、与えるのだが……。
正直って、多頭飼育は難しい。
幼虫はなるべく1ケースに7匹くらいとし、育ちにあわせて分けていた。
なるべく蛹化と羽化のタイミングを合わせるためだ。
それでも事故が起きる…。しかも世話人の責任は大きい。
最も警戒すべきは、ぶらさがった前蛹のこがいよいよ蛹になるため脱ぎ始めるとき、食草が入ってないと、腹を空かした幼虫たちがその柔肌に歯を突き立ててしまうということだ。
一番近所のスミレが「雑草」とされて除去されてしまった今、もはやスミレは貴重となってしまい、家のプランターの安全なビオラやスミレと併用しながら、遠方より摘んできたスミレを頃合いを見計らって(空腹で動き回る頃)、チマチマ与えるしかなかった。
最初の事故がおこってしまったとき、それは朝方で、夜に与えたスミレが足りなかったことが原因だった。
食欲旺盛のおおきな終令幼虫が、まさになったばかりの蛹をかじり、赤い体液がケース側面にスプラッシュしていた!
その姿に睡魔も吹っ飛び、急いで「かじり虫」と蛹を引き離した。
蛹はゆっくり左右に動き、血のような赤い体液が滴ってきたが、そのうち止まりかさぶたのようになった。
もう、蛹の生命力に頼るしかなかった。
そして9日後の6/14、無事に大きなメスの蝶が羽化していた。自責の念にかられていたので救われた気分になった。
多少かじられても大丈夫なようだ。蝶の生命力に驚く他なかった。
しかしおろかなヒト(私)は、あやまちを繰り返す…。
ある日、食べ盛りの幼虫7匹がいるケースへの夜のスミレ配給が少なかった。
一匹前蛹になったこがいたのだが、朝方最後の脱皮の最中に、空腹の幼虫がまたもやその身体をかじってしまったようだった。しかも今回は発見が遅かった……。
苦しみに悶えたように変形してしまったその蛹は、もしかしたらダメかもしれない……。
寝起き姿で愕然としてる最中に、今度は別ケースでおなじ事件が!
それはすぐに引き離せたので、蛹にかさぶたはできてしまったものの、なんとか大丈夫そうだった。
その日のうちに虫かごを追加購入し、1ケースに7-8匹入っていたものは、改めて3-4匹に分けた。
そして今はかなり遠方になってしまったが、暑いなかスミレを摘みにいった。
冒頭の通り、
少数ならば心穏やかに飼育できる。
しかし、理由があるにせよ、50匹以上にもなると、世話人も息切れ激しくなってくる。
現在、終令幼虫はほぼ前蛹+蛹となり、いまではチビが8匹程度なのでゴールがみえてきたが、
今日も卵を産み付けに、母蝶の美しい姿が見えた。
バタフライガーデン=憧れである。
しかし今のプランターの状態は、他者が驚くトゲトゲイモムシガーデンである。。