昨年の10月の個展の時に友人から頂いた見事な胡蝶蘭は、
それから花を次々と落とし、ついにはすっかり花を落としきり、
美しい姿から寂しい姿に一変しました。
蘭は育て方が大変難しいと聞いていたので、
正直諦めていました。
しかし、しばらく経った頃、小さな小さなつぼみをつけ始め、
それは徐々に大きく膨らみ、
以前のような美しい花になりました。
本当に変わりないその美しさに、はっとしました。
大変おこがましいのですが、今の自分とかぶって見えてしまいます。
この有様に対して、これまでの歩みがふと重なります。
一度は花を散らし寂しい姿になっても、
また同じ美しい花を咲かせる事が出来る・・・
憧れと同時に、ひとひらの希望の花弁を受け取ったような気がします。
小さな命はいつも謙虚に、
生きている事の希望と真意を教えてくれます。