Kyon {Silence Of Monochrome}

Kyon {Silence Of Monochrome}
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2010/03/01

桜三月

ラジオやニュースで、
日本の自殺者は毎年増え、去年も3万人以上の人が亡くなったと聞き、
とてもショックに思いました。
そして、3月は自殺者が最も増える季節とも伝えていました。
主な要因に、会社が決算期に当たることや、
生活の変化が多い時期だからという事があるそうです。

3月は私が産まれた月でありますが、
私はこの月から5月にかけての特有の、
生温かいような空気感がちょっと苦手です。

上の要因にもあるように、私も新入学や新学期、卒業等に伴う変化に
上手く乗れないタイプでした。
友達を作るのも苦手、集団行動も苦手、
しかし、孤独すぎるのも苦手・・
どうしてよいかわからない混沌とした意識の中で、
この時期は必死に耐えていた事が多かったように思います。

私の大好きな井上陽水氏の初期の作品である「氷の世界」というアルバムが好きで、
その中でも「桜三月散歩道」という曲が一番好きなのですが、
歌詞の最後の部分にこうあります。
「町へ行けば人が死ぬ  今は君だけ想って生きよう
だって人が狂い始めるのは  だって狂った桜が散るのは三月」

70年代、高度成長期の真っただ中にいて、
その繊細な神経を、こちらが心配になってしまうぐらいにむき出しに歌い続けていた、
陽水氏の洞察力の凄さに、ただため息が出てしまいます。
そして、時代は変わっても、
人の心のありようはなんら変わらず、
むしろもっと過酷な領域に、誰しもが踏み出さざるを得ない状況にあると思います。


せめて、身近にいる人の心には、
できるだけ気を配っていきたい。
そんな願いにも似たような思いが、胸を痞えます。