17日 手術当日
前日からわたしの気分は落ち込み、家人も口数少なく…。
わさびの朝食は抜き。朝からごはんよこせのぺろぺろ攻撃(顔中なめてくる)、
ごはん皿の前でちょこんとすわり、ずっとこちらをみつめてくる姿に切なくなる。
特に抵抗もなく、リュック型のキャリーにすとんと収まる、軽くて小さなわさび。
ちなみにこのリュック型キャリーはペットキャリーに見えづらく、外を歩くと行き交う人にどこで猫が鳴いているのと不思議そうな顔をされる。形はあのウー〇ー〇ーツそっくり、なので、うちではウー〇ーキャッツと呼んでいる。
病院に着き、先生に説明を受ける。
老猫なので麻酔は浅め(注入+吸入)、短時間で切除し、すぐに起こす。
術後は抗生剤。
脚のつけ根付近からお腹にかけて切るので、動いてしまうと傷が開いてしまう。ちょっとかわいそうだが数日狭いケージに入れてじっとしていてもらう。
なにより術後、傷をくっつけることが最優先だと。
入院のストレスで食べなくなってしまうかもだが、食べないと傷がくっつかないので食べさせますとのこと。
爪を切ってもらったときに、爪が平たくなっていますねと言われた。お歳になってきたいうことですよと。
わさび13才8か月。
もう、すべてお任せして、祈りながら待つしかない。
わさびをキャリーに入れたまま預け、帰りは二人で近所の八幡様にお参りに。
わさびがいないと、やはり、家族がいないようで、寂しいことこの上ない…。
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19日
待ちに待ったお見舞いの日。
早く明日になれと、前日は9時には就寝。
ドキドキしながらわさびのもとへ。
コロナ渦、幸い電車はめちゃくちゃ空いている。
運ばれてくると大きな声で鳴いていて、ひとまずほっとする。
小さな体に、長くて痛々しい。
麻酔の目覚めは良く、腫瘍は楕円形だったのでマージンを取ってかなりの範囲を切った。
怪しいものも取とりました、深いところにまで達してはいませんでしたよという言葉にほっとする。
抜糸は2週間後。腫瘍は病理検査に。
がんばったね、わさび(泣)。。
おしっこは自力でペットシーツにしているが、お水は飲まないので皮下輸液。
ごはんも食べようとしないので一日2回、缶を2個あげている。
事前に預けたチュールも2本食べた。
これから2,3日で食べてくれるかもしれませんとのこと。
ケージに移され、介護士のお姉さんが私の持ってきたフリースを入れてくれた。
寝そべるわさびに声をかけ続けると、少しずつ声色が変わってきて、
少しぐるぐるが混ざった声になったが、きっと怒っているんだろうなという感じだった。
おとなりで入院中の恰幅のよい猫ちゃんが元気にニャーと鳴いてくれた。
帰路、ひとりとぼとぼ歩いているとなんだか泣けてきて、
しかし人前で泣くのは恥ずかしいから、空を見ながら、目をぱちくりしながら、
深呼吸で歩き続ける。
わさび、もうちょっとがんばろう!
明日も会いに行くからね。