Kyon {Silence Of Monochrome}

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2018/03/03

ツマグロヒョウモン~保護したツマさんたち(よっちゃんとミコちゃん)39~ 再生

3月3日

今日も穏やかな晴れ。ベランダの太陽が大好きなビオラたちも気持ちよさそうだ。

よっちゃんは今日もすいすいとハチミツ水を吸い、吸い終わるとしばらくじっとしておしっこをし、さっぱりしたところでネットの上の方に登っていく。
ネットをさくさく上がれるうちはまだまだ元気だと思う。
そして今日も右翅が上下入れ替わってしまったが、自分でなんとか直せたようだ。しかしこのとき、居心地が悪いのを直そうと結構激しく羽ばたくので、体力を消耗してしまわないか心配だ。


昨日羽化したミコちゃんはみごとな翅をもったメスである。
よっちゃんよりもふたまわりほど大きい。ツマグロヒョウモンはメスの方が大体大きいようだ。

昨日はパンパンに膨れていたお腹も、真っ赤な蛹便を出してすっきりとしている。
急遽、大きなミコちゃんのために35センチ×55センチの筒状の特大洗濯ネットを加工しミコちゃん専用ネットを用意した。
前回作った特大ネットは、上部のワイヤーがやわらかすぎて、よく変形してしまい、側面に凹凸か出てきてしまってそこによっちゃんが翅をひっかけて痛めているように感じたので、今回は3㎜のワイヤーできっちり筒状にして仕上げてみた。それでも強く羽ばたけば、先の方から欠けてしまうのは否めない。

ケースのままミコちゃんをネットに入れると、翅をふわふわ動かしながら、ゆっくり中を偵察していた。室温は18度、やや暗めにしておくことで激しい活動は抑えられる。
お腹がすいているだろうと、よっちゃんの朝ごはんのタイミングで、ミコちゃんにも初ハチミツ水を与えてみた。最初は綿棒に驚いていたが、すんなり口吻を出して、吸ってくれていた。

その後ゆっくりと中を動き、よっちゃんと同じくネットの上の方に移動し、天井でさかさまになって今現在も休んでいる。




私の部屋は大小の蝶ネットがぶら下がり、夜は薄暗い(蝶のために明かりは最小限)奇妙な部屋となってしまった。
多少不便だが、それでも羽化してくれた喜びはとても大きい。

…昨年の12月、食草のスミレを全部排除されてしまい、たった一匹、冬の寒空のなか、コンクリートの壁面にぽつんといた、小さなミコちゃん。
その姿を思いだすと今でも胸が辛くなる。
それから3カ月経って、それはそれは立派で美しい蝶となった。
本当に感動と嬉しさで胸がいっぱいになる。
涙腺がゆるんでくる。
どんな蝶を見ても、よっちゃんやミコちゃん…うちのこたちが一番美しいと思ってしまうのは、猫同様の親ばかだ。


そして今日、そのスミレの道を歩いていて、あたらしいスミレの新芽を見つけた。
なんて強いこたちだろう。
もしかしたらこれからぐんぐん育ち、またかわいい花をさかせてくれるかもしれない。
そして夏の空を飛ぶツマグロヒョウモンの姿がまた見れるかもしれない。

どうか、そうであってほしい。