日の光はゆるやかで、そして乾燥している。冬の晴天。
ツマコさんは13日間、頑張って生きた。
西日が眩しいなか、家人と埋葬した。
同時に、蛹化で失敗してしまったチビ2号も埋めてあげた。
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ツマコさんを見ていて気付いたことがある。
ツマコさんは、ほかのツマたちと少し顔が違う。
口吻を挟むようにあるものが「下唇鬚(かしんしゅ)」または「パルピ」と呼ばれるもので、においを感じたり、複眼や口吻の掃除に利用されているものらしい。
うちのツマたちも時々、このパルピ(かしんしゅは言いにくいのでこの呼び名で)を左右に動かしている。ワイパーのようでなんとも面白い。
アゲハやモンシロチョウなどはこれが目立たないので顔立ちが丸いのだが、
シジミチョウやツマグロヒョウモンなどのタテハチョウ科の蝶は結構目立つようだ。
見続けていると、なかなかチャーミングな顔である。
こちらはオスのツマジロウさん。 パルピがツンとしています。 |
パルピが少しカールしています。メスのツマコさん。 |
ツマジロウさんとツマコさんを見比べてみても、ツマコさんのパルピがくるんとカールしている。メスだなぁというような丸みにも見える。
しかし、メスがみなこうなのかはわからない。もしかするとツマコさんだけの特徴かもしれない。なぜなら同じくうちで羽化して飛び立っていったツマミさんもツマジロウさんのようにツンとしたパルピだったので・・・。
また毛色もツマコさんのほうが濃い茶色だった。
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13日・・・蛹のころからだと約1カ月一緒だったので、彼女がどんなに頑張って生きてきたかが、痛いほどわかる。
ほんとうは、
大空を飛びたかっただろう。
素敵な相手と恋をして、子孫をのこしたかっただろう・・・。
うちのはちみつ水はおいしかっただろうか?
聞いてみたい。
時々、ツマコさんに寄り添う空想をしながら眠りについていた。
そしてツマコさんの柔らかい背中に乗って、空を飛んだつもりになった。
ありがとう、ツマコさん🌼