Kyon {Silence Of Monochrome}

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2017/12/04

ツマグロヒョウモン ~3頭のツマさんたちその後2(羽化不全)、そしてもう一頭保護~

12月4日
午前中は晴れていたが、午後は薄曇りで肌寒い。

ツマコさんは6日目。
ツマジロウさんは4日目。
そしてツマサブロウさんは3日目。


朝、ツマさんたちにはちみつ水を上げた。
ツマコさんとツマジロウさんはすんなりはちみつ水を飲んでくれたようだ。
口吻を延ばし、かすかにクイックイッと吸うようなしぐさをする。
ツマジロウさんは口吻を少しくるっと丸められるようになっていた。
ツマコさんは口吻はのばしっぱなしだ。

ツマサブロウさんはあまり乗り気でなかったので、9時半ごろから1時間くらい日光浴をさせたあと、食事にした。
運動したから疲れたのか、はちみつ水綿棒を近づけると口吻をさして飲んでいるようだった。


はちみつ水を飲むツマジロウさんと、
その横で翅を広げるツマサブロウさん。
気が付けば近くにいる二頭。↓


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買い物ついでに気になったので、昨日の川沿いのツマグロヒョウモンの様子を見に行った。
昨日、飛び立っていればそれでいい。
もし、まだその場にいたのなら・・・。

蝶はまだそこにいた。
羽化してから3日間食事にありつけていないとすると、かなり弱っているかもしれない。
そっとさわってみるとかすかに動くが飛ぼうとしない。
エネルギーが足りず、日も陰って寒くなり、飛べない様子だった。
このままでは餓死してしまうかもしれない。
見過ごせなくて、蝶をふわっとティッシュにくるみ、すぐさま、家に飛んで帰った(その途中でまたおしっこされた)。

四番目の保護蝶なので、このこはよっちゃんと名前をつけた。

四番目なのでよっちゃん。3日間動かずにたたずんでいました。
翅はきれいなのですが、なんとなく弱弱しいです。


よく見ると翅がかすかに歪んでいる。
飛べない翅なのか、単なる体力不足か、わからないが、ケースの蓋をあけても、普通は元気なツマグロヒョウモンならささっと飛び立つが、よっちゃんはそういった様子もない。
翅を広げながら、えっちらほっちら地べたや壁を歩いている感じだ。

このこも面倒をみるか・・・。
こうなったら三頭も四頭も一緒だ。

よっちゃんはほかのこより翅がしっかりしているし、はばたく可能性もあるので、特製の蝶用ネットにいれた。


{みんな違って、みんな、良い}


ふとそんな言葉が頭をよぎった。


冬の羽化はツマグロヒョウモンにとっては大変な試練なのだと思った。
もともとは南方にしかいなかった蝶。まだ北上してまもない種族ゆえに、きまった越冬態も持たず、こんな寒い時期にも羽化してしまう…。
彼らの鮮やかなオレンジの翅は夏の空にこそ美しく映えるが、秋の紅葉にも見事にマッチする。
しかし冬の寒さはかれらには無常だ。

彼らがもっとうまく冬と付き合えるようになるにはあと何世代命を重ねるのだろう。


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外ではもう蝶の姿はみない。時々、モンシロチョウやキチョウ、シジミチョウがその小さな姿で果敢に飛び回っていたが、12月に入るとそういった姿も見なくなった。

そんななか、林の周りをふわりふわりと蝶が飛ぶ姿。ベージュ色でシジミチョウのように小ぶりだ。
懐かしい姿に思わずシャッターを切った。

ヤガ科の蛾のようですが…蛾の識別は難しいです。

蝶ではなく、蛾のようだ。

蛾はなんとなく嫌われもののように思うが、よくよくみると彼らも優雅で美しい。
彼らには時々、淡い光の中、林や森で出会うが、その姿は妖精のように映ることがある。